書名:優駿 宮本輝全集第7巻
著者:宮本 輝
発行所:新潮社
発行年月日:1993/10/5
ページ:624頁
定価:5040円+税
北海道の大自然を舞台に一頭のサラブレッド、その躍動する命に見せられた人間達の夢、そして行動。「トカイフォーム」という北海道の小さな牧場でサラブレッドが誕生した場面から物語が始まる。その生まれたサラブレッドは「オラシオン」(祈り)という名前が付けられた。
「トカイファーム」の経営者渡海千造、跡継ぎの博正、馬主でありある電機部品メーカーを経営してる和具平八郎と娘の久美子、和具の秘書多田、平八郎が若いときに関係した女から生まれた息子(人工透析を受けて余命短い少年)で、久美子にとっては腹違いの弟となる誠。調教師、騎手、厩務員、馬産家、競馬担当の新聞記者がこの一頭のオラシオンにそれぞれの夢、祈りを託していく物語。中央競馬へ出場するオラシオンの活躍の裏にそれぞれの人間模様が赤裸々に描かれている。長編小説ですが次々と読み進めてしまう面白さ、感動のある小説です。