書名:邪馬壱国の論理 古代に真実を求めて
著者:古田 武彦
発行所:ミルネヴァ書房
発行年月日:2010/6/20
ページ:452頁
定価:2800円+税
この本はちょっと荒唐無稽な物語と思われるかも知れない話が出て来る。それは魏志倭人伝の特記事項として邪馬壱国より遠くのことについて。
魏の使節は邪馬壱国はもとより、朱儒国まで行って、そこの古老に聞いた話として船で一年(2年歴)半年のことか、裸国、黒歯国があるということが書かれている。それに関連した同時代の文選という書物に「海賦」にも古老の話として日本から黒潮に乗って、アメリカ大陸、中南米大陸に行って帰ってきた話が出て来る。そこには毛翼(コンドル?)、海トカゲとか、どう考えても中南米大陸を思わせる話である。そこには倭人がいると。
そしてガテマラで発見された縄文土器を同じと思われる土器が大量に見つかっているとの話。縄文時代からいやそれ以前から海の流れに乗って人々は移動していた。ときには成功し、時には失敗していたのではあるまいか。
また高木彬光の「邪馬台国の秘密」についてこの推理小説の話の展開は古田氏の提案した邪馬台国の解釈、分析とまったく同じで、アイデアを無断借用、盗用したとして古田氏の怒りをもった高木彬光氏に対する抗議文が載せられている。そしてこの抗議に対して何の反省もないと。推理小説の大家としては少々お粗末な顛末。