書名:小説 秦の始皇帝
著者:津本 陽
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:1999/12/28
ページ:245頁
定価:1600円+税
中国史上初めて皇帝と名乗った秦の始皇帝・政、紀元前259年正月乱世の中国大陸に一人の男が生を受けた。呂不葦という豪商が政をバックアップして、多くの人材を登用して秦の国を忽ち強国として盛り立てていく。そして遂には天下統一を成し遂げて皇帝にまで上り詰めた男の数奇に運命に翻弄される生涯を描いている。晩年の不老不死を追い求め、燃え尽きた英雄。
若くして王位につきながらも人生としては不幸な人だったのではないか?自らの出自の謎(呂不葦の子とも言われている)、母親の姦通、部下達の裏切り、いつも暗殺者におびえる日々、それの反動として万里の長城の建設、皇帝陵の建設、皇帝だけの道路の建設、統一国家の建設その後の法制度の確立(刑罰)によって法律以外の昔からある思想などは不要と儒教の廃絶、焚書、過去の書物類などを焼き払ってしまった。為政者にとって邪魔になる物は徹底的に破壊した。勿論敵対する人間は一族郎党にいたるまで絶滅させた。これが中国では見本となってその後の王朝も同様に行う。秦の始皇帝について簡単に判る本です。