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愉楽の園 宮本輝全集第9巻

書名:愉楽の園 宮本輝全集第9巻
著者:宮本 輝
発行所:新潮社
発行年月日:1992/12/5
ペーはジ:390頁
定価:3800円+税

水の都バンコクの運河の辺が舞台の中心、元スチュワーデスの恵子は、過去の恋愛に疲れ果ててバンコクに旅行する。その時であった王家の地を引く内務省高官サンスーンに一目惚れされてしまう。サンスーンは妻を亡くした40歳男、その傷ついた心を癒せるように恵子にバンコクの運河の辺に大きな邸宅を与える。妾のような関係を続けて3年。そんなときに世界一周旅行をしてバンコクに着いた野口という男性が恵子の前に現れる。
ゆっくりと流れる時間の中で二人のゆくへは政治がらみのサスペンスを交えて物語は展開する。何でも著者の初めての小説「弾道」という作品をベースに12年後に描き直したのがこの「愉楽の園」とのこと。人物描写、風景描写、心理描写、など著者の特徴が良く出ていると思うが、なんとなく物足りない小説。