書名:飢餓海峡(上)改訂決定版
著者:水上 勉
発行所:河出書房新社
発行年月日:2005/1/30
ページ:332頁
定価:1600円+税
書名:飢餓海峡(下)改訂決定版
著者:水上 勉
発行所:河出書房新社
発行年月日:2005/1/30
ページ:379頁
定価:1600円+税
水上勉の代表作、映画化もされて有名な小説です。でも本で読むのは初めて、長編推理社会派小説とでもいうのか。読者には最初から犯人は特定されている。それを警察の関係者が延々と追いかける。そして犯人を追っていく。
昭和22年の青函連絡船洞爺丸転覆事件、岩内大火事件の中で行われる質屋強盗殺人放火事件、そして台風による洞爺丸転覆事件、犠牲者に乗船名簿にない2人の死体、2人の名前も住所も判らないままとなってしまう。
終戦前の貧しい人々の生き様、貧しい地方で育った若者達、女達が戦後の動乱期を必死で生きて行く、そんな中で起こった殺人事件。ただ犯人だけが悪いですまされない重い重い問題が見え隠れする。犯人を追いかける北海道警の刑事、京都府警の刑事も自分たちの仕事、また犯人を捕まえることでよかったのか?グイグイと引きつけてくる水上勉の迫力有る作品です。