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海辺の扉

書名:海辺の扉(上)
著者:宮本 輝
発行所:角川書店
発行年月日:1991/1/15
ページ:257頁
定価:1165円+税

書名:海辺の扉(下)
著者:宮本 輝
発行所:角川書店
発行年月日:1991/1/15
ページ:235頁
定価:1165円+税

2歳の息子と妻、という家庭で幸せな家庭を営んでいた満典。ある日突然、自らの不注意で自分の息子を殺してしまった。忽ち家族は崩壊、妻とも離婚して、放浪の旅をしていたときシンガポールで出会ったギリシャ女性のエフィー、一目で意気投合して彼女のギリシャへ行って結婚する。ギリシャは不景気で、日本人が一人定住するには難しい国、エフィーのお陰でギリシャで生活することが出来た。満典の心の中にはそんな野心が潜んでいたかもしれない。ギリシャでの仕事は運び屋のような危ない仕事も引き受けていた。日本に妻のエフィーを日本に連れて帰るために、より危険な仕事に手を出して大金を稼ごうとする。ギリシャの地中海クルージングを舞台にサスペンスじみた展開となってくる。しかしどこか緊迫感はない。ふとしたことから1200万ドルが満典の手に。
突然別れた妻から手紙がきた。それを読んで元妻が自殺するのではと心配した満典は一人先に日本に帰る。残されたエフィーは病気で倒れた母の介護と1200万ドルを追う組織との対応に翻弄される。日本での就職口探しと元妻との関係を清算して、母を連れてギリシャへ妻を迎えにいく。妻は
満典の娘を生んでいた。亡くなった息子が還ってくる、転生、輪廻などの仏教の教えなどを取り混ぜながら満典の回想などを交えて物語は展開していく。