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千年前の人類を襲った大温暖化

書名:千年前の人類を襲った大温暖化
  文明を崩壊させた気候大変動
著者:ブライアン・フェイガン
訳者:東郷えりか
発行所:河出書房新社
発行日:2008/12/10
定価:2,400 円+税

 人は得てして自分が生まれた時代を基準に考えがちであり、これまで問題なくやって来たではないかと判断してしまう。西暦800年から1400年頃今、騒がれているような温暖化の時代があった。資料が少ないので確実なこと(平均気温が何度とか)はよく分からないところがあるが、少なくともヨーロッパ、北欧など人口が2.5倍以上増えた過ごしやすい時期だった。当時は農業が主体の世界、温暖化は食料増産のためにはメリットが、ところがアンコールワット、中南米、ペルーなどは文明が崩壊した。この温暖化でヨーロッパがその後の世界を支配する基礎を固めた時代だったようだ。一義的に一方だけが良くて、一方だけが悪いということはなかったようです。日本などは温帯地帯に位置しているし、海に包まれているので温暖化の影響が大きいとは考えられない。当時ワインの生産が英国でもできるようになってフランスに大量に輸出出来たとのこと。作物の育つ範囲が広がったことによって人口も増え、争いも増えてきたことも事実です。今の温暖化の大騒ぎ何処を基準に考えているのか?アメリカでもないみたい。ヨーロッパ、北欧だったら逆に歓迎すべき事なのに?中国の砂漠地帯、アフリカ、熱帯地方が大騒ぎしているのであれば判らない訳でもないが。少なくとも日本がいの一番に対策を深刻に考える必要のないことだと思う。