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継体東国王朝の正体

書名:継体東国王朝の正体
   伽耶・東北王朝復活の謎
著者:関 裕二
発行所:三一書房
発行年月日:1995/3/31
ページ:273頁
定価:2233円+税

日本書紀、古事記に書かれた神話はいつもロマンがあって良い。継体天皇、名前からして万世一系の天皇ではないと思われる。天皇が越の国(福井県)からやって来て即位したのか?そのとき人はいなかったのか?

卑弥呼から今上天皇へと続く血脈を万世一系の天皇家とするならば、継体天皇から天武天皇に至る飛鳥王朝は天皇家出身でない天皇ということになる。という説を唱えている。
そして大和系出雲、伽耶系出雲、それとヤマトの3王朝が皇位を継承するときの約束事を決めた。男系はヤマト、皇后は出雲と。それが武烈天皇以降国が大きく乱れる。また朝鮮半島でも高句麗が新羅、百済、任那、伽耶に攻め入ってくる。そんな動乱の中、武烈天皇に跡継ぎがいなかった。そこで継体天皇の登場となった。

継体天皇は東国の蝦夷、尾張氏、出雲蘇我氏の強力な支援を受けている。ヤマトでもその力を十分認識していた。
そんな歴史ロマンを感じさせてくれる本です。蘇我蝦夷、蘇我入鹿が中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(藤原)滅ぼされた。とされる話も、蘇我氏は大王、クーデターだったとした方が理解しやすい。藤原不比等が作ったとされる日本書紀に書かれている内容から一つ一つ綻びを大きくしながら、再構成した内容です。ちょっとという所もありますが納得できるところも。出雲地方から新たな遺跡、遺物がどんどん出てきています。これから出雲王朝の実態も見えてくるのでないかと楽しみにしています。古代のロマンを楽しませてくれます。