書名:故宮深秘録
著者:典厩五郎
発行所:新人物往来社
発行年月日:1997/1/30
定価:1,700円+税
ある新聞社の台湾支局長が国交断絶となった1970年代、台湾を離れるときに台湾の故宮博物館である人物と出会う。この物語は清朝の末期から紫禁城の奥深く眠っていた宋代の美術品のゆくへをある人物の回顧録風に綴っている。日露戦争後の中国は比較的日本の友好的で沢山の留学生がやって来ている。その中に孫文、周恩来、毛沢東等々中国の歴史的人物も。太平洋戦争が終わって蒋介石が台湾に亡命。その時紫禁城の美術品は台湾と長安の洞窟へ。それを紫禁城へと移す。そこには政治、軍事、各国の思惑が入り交じってやりとり。そんな中を生きた一人の日本人の語りをまとめている。清朝が滅んでからの中国のに生き、いまも中国人として生きてきた一人の半生記で物語は終わる。