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ランウェイ

書名:ランウェイ
著者:幸田 真音
発行所:集英社
発行年月日:2011/9/27
ページ:596頁
定価:1900円+税

"RUNWAY"ファッションショーでモデルが歩く花道のこと。ファッション業界を舞台に描かれた仕事と恋とのサクセスストーリー。中堅商社グローバル物産に入社した柏木真昼は、そこで知り合った同僚村尾博之に手ひどい失恋を経験し、1年程で会社を辞めてしまう。そして再就職先に選んだのはイタリアの有名デザイナー・ブランド、アレッサンドロ・レオーニ・ジャパン。そこの販売員をしていたが、抜擢されてバイヤー見習いとしてミラノに行く事になった。

先輩のバイヤー津田史子のアシスタントしてバイヤーの仕事を一から習得する。津田史子の指導はとても厳しく緊張が抜けない日々だった。あるときミラノへの買い付けに向かった真昼は、そこで津田が尊敬するセレクトショップ・リベルテのチーフ・バイヤー花井正子は真昼に声をかけてくる。リベルテが新たに出店する店舗のバイヤーとして働いてみないかと。また別に、グローバル物産のミラノ支店に赴任していた村尾もセレクト・ショップの開店を目指し、真昼をスカウトしようとする。そして花井のもとで働く事を決める。

一見派手に見えるファッション業界の中でバイヤーとして働く真昼が少しずつ経験を積みながら自分の興味をもつ天職と言えると思えるまでの試行錯誤、いろいろな人との出会い。そしてそれらの人脈を生かして次々と活躍の場所を広げていく。しかし順調な事ばかりではなかった。そこには大きな落とし穴が。とにかく波乱万丈というか、ひとときも物語に平穏が訪れることはない。常に喜び、悲しみ、興奮、不安、嫉妬、欲望、羨望、悔しさ、落ち込み、希望、と様々な感情が渦巻いている。こうした感情が沸くだけの事件、出来事が満載だ。あきらめないで自分の生きて行く道を求めていく女のサクセスストリー。分量もあるし読み応えのある作品です。