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東大が倒産する日

書名:東大が倒産する日
著者:森 毅
発行所:旺文社
発行年月日:1999/11/25
ページ:255頁
定価:1500円+ 税

もう亡くなられましたが、数学者の森毅、京大の教授を退官してからマスコミにも顔を出したり、いろいろなエッセーを書いていたり幅広い雑学が面白い。この「東大が倒産する日」も大学の国立大学独立行政法人化が議論されていた時代の対談集です。

大学は一種の文化産業だから価値がある。人間はおしゃれが好きな生物だから、知的なおしゃれとして文化がある。学問産業と映画産業はあんまり変わらない。「東大も東宝も芸能産業」等ユニークな発想が面白い。卒業は東大、でも京大の教授が長かったせいか、雰囲気は京大。そんな感じ。

誰にでも好かれる映画がないように、大学もある狭い分野、特徴をもったものがあって良い。金太郎飴を作るのではなく、いまの世の中に役に立つものでなくて良い。例えば中世神学なんて産業界にどれだけ役に立つか?でもそれで良い。それが文化という。大学ではなく大学院を充実しないといけないと述べています。ユニークな森毅の教育論です。