記事一覧

本に出会う

竹中平蔵こそ証人喚問を

書名:竹中平蔵こそ証人喚問を
著者:佐高 信
発行所:七つ森書館
発行年月日:2010/12/1
ページ:173頁
定価:1500円+税

週刊誌的内容の本です。佐高信は毀誉褒貶のある人で、嫌いな人も多いでしょう!批判することを生き甲斐、いや生活の糧としている専門家かもしれませんね。代案のない批判が多いのとセンセーショナルなスローガンの割には中味が乏しい。ものすごくおおざっぱな取材、ロジックという感じがします。
でもグローバリゼーションを唱えてアメリカ様々、小泉内閣のその後を見直すにはちょっと面白い本かもしれません。いまも生き残っている残党もいますので。

本書は「週刊金曜日」に掲載された論考を集めたもので、竹中平蔵、木村剛、宮内義彦、福井俊彦、村上世彰、堀江貴文、猪瀬直樹、田中直毅、御手洗冨士夫、三木谷浩史、林真理子、渡辺恒雄、佐藤正明の各氏が俎上に挙げられています。

竹中を証人喚問すべきだと思う理由は主に3つある。
1.木村剛を金融庁の顧問にし、彼が会長となった日本振興銀行が破綻したのに、その責任を問われてコメントを回避していること。
2.郵政「民営化」にからむ「かんぽの宿」のオリックス払い下げ問題。
3.個人的な「逃税疑惑」問題。

セコいねぇと思うのが、3番目の「逃税疑惑」です。
「知ってる?『1月1日』に日本にいなければ、住民税は請求されない、つまり払わなくていいんだ」と竹中本人が周囲にいっていたそうですが、実際に93年から96年にかけて米国と日本(しかも神奈川県藤沢市exclamation)の間を6回も住民票を移動させ、なおかつ1月1日は毎年米国に居住していることにしていたというのです。

目次(本書より)
-----------------------
序 竹中平蔵をこそ証人喚問すべきである

1 竹中平蔵の罪の履歴書

詰問状
 竹中平蔵氏への手紙──得た果実と「痛み」との大きな落差
 再び竹中平蔵氏への手紙──「特等席の経済学」を語って下さい
 竹中平蔵氏への三度目の手紙──企業の表面しか見ていない
 竹中平蔵氏への第四の手紙──〝逃税〟疑惑と名誉毀損訴訟について
 竹中平蔵氏への第五の手紙──あなたのことを新自由主義というのが不思議です

罪の履歴書
 〝政商〟ならぬ〝学商〟の群れ
 自分だけがトクをする無法経済学
 竹中流経済学は他人に傷みを負わせる
 〝逃税〟の達人・竹中平蔵大臣に辞職を勧告する
 〝居直り平蔵〟という呼称も贈ろう
 とどまることなき無責任さと図々しさ
 中立・公正という幻想
「郵政米営」を押しつけた小泉・竹中

2 〝竹中組〟の穴のムジナ

木村剛
 木村剛氏への手紙──身内の会社に低利融資しているのは銀行法に触れるでしょう
 再び木村剛氏への手紙──あなたが「居直り続ける経営者」に見えて仕方がありません
 思想性のない改革者もどき
 審判がプレイヤーになっていいのか、木村〝新銀行〟

宮内義彦
 プロ野球混迷の《真犯人》は宮内義彦オーナーだ
 宮内オリックス・オーナーの身勝手な変身
 格差について鈍感すぎる

福井俊彦
 政府与党に〝借り〟をつくった粗大ゴミ総裁
 福井俊彦日銀総裁が下げた「責任のハードル」
 日銀総裁・福井俊彦さんへの手紙──「恥を知れ」という言葉をあなたに浴びせたい

村上世彰
 独り居座り続ける経営トップの無責任体質
 元通産官僚の村上世彰と小林興起の違い

堀江貴文
 堀江貴文はリクルート創業者の江副浩正に重なる
『日刊ゲンダイ』はホリエモン礼讃発言者を名指しせよ

3 小泉〝改革〟の側用人

猪瀬直樹
 ぼくはエライんだ!
 〝猪瀬ミョウバン直樹〟という筆名を進呈しよう
 自分がピエロの自覚がない
 猪瀬と小泉という二人のエセ改革者
 謙虚さ皆無のバンザイ屋
 〝石原ヒットラー〟の手下

田中直毅
 〝側用人三人衆〟のご用エコノミスト
 田中直毅さんへの手紙──郵政民営化は銀行が喜ぶばかり

御手洗冨士夫
 弱いものを犠牲にするのが武士道か
 これでは〝お手洗いビジョン〟だ

三木谷浩史
 理念なき欠陥社長

林真理子
 お里が知れる俗物性

渡辺恒雄
 渡辺恒雄氏への手紙──「偽装改革」の曲者たちが政権中枢をうろついていますね

佐藤正明
 佐藤正明さんへの手紙──未公開株の譲渡は、竹中大臣と同じですね