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行為と妄想

書名:行為と妄想
   私の履歴書
著者:梅棹 忠夫
発行所:日本経済新聞社
発行年月日:1997/6/13
ページ:262頁
定価:1700円+税

この本は自分の自慢話か、私の履歴書というとさもすると自慢話になってしまう。でも自慢話的なところもなきにしもあらず、ですが梅棹忠夫の70数年の半生を綴った自伝。読み始めるとついつい読み続けてしまう。文章は文学的というよりは実務的な文章、論文を数多く書いたせいか、情緒的な部分は少なくわかりやすい文章です。ただ余裕、余韻のないぎすぎすした効率の良い文章。このあたりも「知的生産技術」の泰斗故か?

若い頃から梅棹忠夫は好きでいろいろな著作を読んできたが、その裏舞台をみた思いがする。時に昆虫学者だったり、登山家、民俗学と比較文明論の泰斗であり、情報理論の先駆者であり、京都大学の名誉教授、国立民俗学博物館の創設者・館長であったりする。学者というよりは何でも器用にこなすコーディネーターという感じの人です。知人・友人・後輩にも恵まれ人生を楽しんだ人ですね。日本経済新聞社に連載された「私の履歴書」を大幅に加筆修正した自伝です。