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山内のあゆみ 石川編

書名:山内のあゆみ 石川編
著者:横溝 潔
発行所:音羽書房
発行年月日:1996/11/1
ページ:354頁
定価:3000円+税

現在では都市化が進んで当時の面影も残らなくなってしまった。青葉区あざみ野、美しが丘、荏子田、新石川、元石川等旧山内村(荏田、石川)の石川を中心に古代、中世、近世、近代の石川の歴史を地勢、地質、広さ、用途(田、畑、山林)、世帯数、人口などの基本的データ、信仰、祭りなどを事細かに地元の人たちに取材をしながら良くまとまっている。王禅寺の今昔で原子力研究所の建設秘話とか、王禅寺と北原白秋とか、荏田と石川の水争いで、荏田の人たちが早渕川に堰を作って平川などが水つきになってしまった。そこで船頭地区の人が船を造って凌いだ。そこで船頭と名付けられたとか?

興味ある話が一杯出てくる。そして急速に開発が進んで、今では地元の人は1/20位になってきている。元々農業地帯であったところが、宅地造成で宅地の供給源として発展してきたあゆみを冷静な目で見ている。興味ある人には非常に面白い。またこの地域は横浜市といいながら、江戸時代をついこの間まで残してきた地域ということが判る。昭和以降に生まれた人にとっては急激な変化に、なすすべもなくただ見ていただけ?といったところもあったのではないかと思う。いちど目を通しておくと良い本ではないかと思う。