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荏田のむかし

書名:荏田のむかし
著者:荏田東第一小学校創立十周年記念事業実行委員会
発行所:荏田東第一小学校創立十周年記念事業実行委員会
発行年月日:1993/10/2
ページ:66頁

地元の渋沢谷戸、柚木谷戸、荏田宿を中心に生活篇、歴史篇と別れて纏められている。ここでちょっと面白いのは荏田宿、東から西に矢倉沢往還(大山街道)が通っているが、東から下宿、中宿、上宿となっている。江戸方面が下り。ちなみに保土ヶ谷宿の町並みを、東から西への順番に見ていくと、宿場の入り口ともいうべき帷子橋より下岩間町・帷子田町・下神戸町・帷子上町・上神戸町・上岩間町・保土ヶ谷町となっている。これは京、小田原、大山を上、あくまで江戸は下と考えられていたのか?ちょっと興味ある。渋沢谷戸、柚木谷戸については港北ニュータウン開発が始まる前の地図と神社、お寺、各家の家の位置、名前が復元されている。また荏田宿については明治のはじめの荏田宿の地図、商店、旅籠などの屋号などが復元されている。

正月の行事、節分などの諸行事などについては長老の方々にインタビューをして記録している。劔神社
の祭りのようすなど。この地区の鎮守の神様は劔神社(祭神:素戔男尊スサノオノミコト)となっている。この神社の裏を登ると鎌倉街道(一部残っている)が川和方面に通っている。知らなかった地元のことがよく分かる本でした。

旧横浜市緑区の歴史を調べていると、都筑郷土郷土史のさきがけ戸倉英太郎氏が随所に出てくる。この人の著作の孫引きも多い。また新編武蔵風土記稿(文化・文政期(1804年から1829年、化政文化の時期)に編まれた武蔵国の地誌)によるところが多い。新編武蔵風土記稿は都筑図書館にも置いてある。持ち出し禁止の本になっていますが。その後郷土史家としては相澤雅雄、溝口潔、青木兼之氏等の著書がある。