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玉川兄弟

書名:玉川兄弟 杉本苑子全集 第七巻
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/9/7
定価:4000円+税

玉川上水の工事を行った庄右衛門・清右衛門兄弟(玉川兄弟)の物語です。実際には資料が少ないので杉本苑子の発想から生まれた物語。松平伊豆守信綱の時代。この玉川上水というのは多摩川の取り入れ口から、四谷まで高低差100mしかないのでその間をポンプも無かった時代、自然の傾斜を利用して江戸市中まで運んでくる工事は大変だったと思う。また技術水準もかなり高かったのでは。現在でも難工事では?

Wikipediaより
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『玉川上水起元』(1803年)によれば、承応元年(1652年)11月、幕府により江戸の飲料水不足を解消するため多摩川からの上水開削が計画された。工事の総奉行に老中松平伊豆守信綱、水道奉行に伊奈忠治(没後は忠克)が就き、庄右衛門・清右衛門兄弟(玉川兄弟)が工事を請負った。資金として公儀6000両が拠出された。

幕府から玉川兄弟に工事実施の命が下ったのは1653年の正月で、着工が同年4月、四谷大木戸までの本線開通が11月15日とされるが、1653年2月10日着工、翌年8月2日本線開通とする史料もある

羽村取水堰で多摩川から取水し、武蔵野台地を東流し、四谷大木戸(現在の四谷四丁目交差点付近)に付設された「水番所」を経て市中へと分配されていた。水番所以下は木樋や石樋を用いた地下水道であったが、羽村から大木戸まで・約43kmは全て露天掘りであった。羽村から四谷大木戸までの本線は武蔵野台地の尾根筋を選んで引かれている他、大規模な分水路もそれぞれ武蔵野台地内の河川の分水嶺を選んで引かれている