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千年樹

書名:千年樹
著者:萩原 浩
発行所:集英社
発行年月日:2007/3/30
ページ:299頁
定価:1600円+税

この本はなかなか理解するには難しい。東下りの国司が襲われ、妻子と山中を逃げる。そしてそこで果ててしまう。その後にくすの実が落ちて、大きな楠に育った場所。その巨樹の下で、千年の歴史とともにその場面場面が錯綜して出てくる8篇の連作短編で構成されている。その1篇ごとに2つの異なる時代が交錯して物語が展開していく。「ことりの木」(「子盗り」に由来する)と呼ばれる、樹齢千年の巨木を中心に描かれている。

・萌芽
平安時代、逆賊によって討たれた国司一家の最後そして楠の芽吹き、現代いじめを苦に自殺を考える少年の物語。のように一遍一遍2つの時代の出来事で構成されている。
・瓶詰の約束
・梢の呼ぶ声
・蝉鳴くや
・郭公の巣
・バァバの石段
・落枝

面白い試みだけれど私にはちょっとついていけないところもある。