書名:僕たちの戦争
著者:荻原 浩
発行所:双葉社
発行年月日:2004/8/15
ページ:428頁
定価:1900円+税
2001年9月12日世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだ翌朝も尾島健太(19)は、テレビの臨時ニュースや新聞には目もくれず、一人サーフィンに出かけた。見たこともない大波にのみ込まれてしまった健太は意識を失ってしまう。気がついた健太見た世界は1944年(昭和19年)
1944年9月12日霞ヶ浦飛行場から飛び立った石庭吾一(19)は、「海の若鷲」に憧れる飛行術練習生だ。しかし、操縦を誤って海に墜落して意識を失ってしまう。気がついた吾一が目覚めたのは、なんと2001年だった。現代のフリーターと特攻隊員の入れ替わり奇想天外なタイムスリップストーリー。
現代の青年から見た昭和19年、昭和19年の青年が見た現代を描いている。
石庭吾一は現代を「多すぎる物質と欲と音と光の世界。誰もが自分の姿を見ろ、自分の声を聞けとわめき散らしている。謙虚も羞恥も規範も安息もない。これが、自分たちが命を捨てて守ろうとしている国の五十年後の姿なのか?」と言っている。おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説です。