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原発事故、放射能、ケンカ対談

書名:原発事故、放射能、ケンカ対談
著者:副島 隆彦・武田 邦彦
発行所:幻冬舎
発行年月日:2011/6/30
ページ:262頁
定価:1500円+税

福島第一原子力発電所の事故が起こって約2ヶ月、2011年5月3日に福島県郡山市で行った副島氏、武田氏の対談の内容を纏めたものです。「副島「もう避難住民は戻っても安全だ」と武田「いや、安全を吹聴することがいちばん危険だ」」という意見を戦わせています。年間1ミリシーベルトと年間100ミリシーベルトの対決といった感じもあります。対立しっぱなし。

全く違った意見の戦いはなかなか興味深い。また時期も年間20ミリシーベルトが突然出てきた時期。福島の現状を見ながら発言する副島氏、学者として発言する武田氏。結果的には放射線量をめぐる対立の根本は、科学的根拠をめぐる学問上の論争と言うより、「危険の感覚」 すなわち個々の人間の持つ 「恐怖心」 の問題だということ。今でも結論が出ない深刻な問題。最近図書館でも原発事故、放射能などに関する本が即手に入るようになった。事故当時はなかなか手になかったのですが。