書名:長勝院の萩(上) 杉本苑子全集 第四巻
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/7/7
定価:4000円+税
書名:長勝院の萩(下) 杉本苑子全集 第五巻
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/8/7
定価:4000円+税
徳川家康の側室お万の方長勝院(結城秀康の母)を中心に、家康ゆかりのおんなたちの物語です。正妻築山殿、信康が信長から誅殺を命じれた真の原因の推定に、今までの歴史家とはちがったユニークな説を提案している。名門今川氏の血(築山、信康とも濃い今川の血が)を成り上がり者織田信長嫉妬した。ちょっと面白い見方です。何事も旧弊を無視して新しいことに挑戦した信長と今川の血ちょっと?という気もします。杉本苑子ははじめて読みましたがなかなか筆力のある作家だと思う。また物語も上手い、また神経質なところがないのが読んでいて心地よい。山崎豊子と違ったところ。正しいこと、間違っていないことが面白いとは限らない。判らないことの多い歴史を舞台に描くときはいかに切り取り、省くかが良い作品と悪い作品の違いかな?歴史資料とは違うところ。杉本苑子をこれからちょっと読んで見よう。