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本に出会う

謀略海峡

書名:謀略海峡
著者:水木 楊
発行所:文藝春秋
発行年月日:2011/3/20
ページ:299頁
定価:1429円+税

台湾政府高官が死ぬ間際に贈ってきた一冊の本を受け取った東大介は?。東アジアの火薬庫が爆裂しようとしている状況中、元自衛隊員にして、台湾で秘密工作員として活動している東大介。その本に秘められた覇権国家・中国が企む、台湾武力介入計画を示す暗号が隠されていることをつかみ、その暗号を読み解いた。パートナーのアメリカ人工作員とともに中国の野望を砕くべく活動する。

中国の野望とは台湾を併合すること。台湾侵攻を巡って、中国、アメリカ、日本、韓国の思惑と陰謀を巡った壮大なスケールの作品蒋介石は「台湾海峡」で毛沢東の侵攻を食い止めた。この作品でも「台湾海峡」を巡る中国・台湾の攻防、中国は国内問題としたい。台湾は国際問題にさせる。この意図をもって双方の秘密工作員たちの水面下での攻防。曖昧な対応で何とかしてきた日本に戦後初めて日米安保条約によって米軍とともに台湾支援に出て行く、中国と戦争になっても良いと覚悟できるか?米国を無視して、中立でいるか重大な決断に迫られる。

近未来起こるかもしれない、中国の台湾併合、台湾の独立そんな話題をテーマに描かれている。なかなかスケールの大きな作品です。ただ登場人物の関係性がよく分からない。突然違った人が出てきて背景説明もなく、つぎに移るので把握が中々出来ない。もう少し整理してあると読みやすいと思う。決断できない日本に皮肉も含めて大きな問題提起をしている感じもする。