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3.11後の放射能「安全」報道を読み解く

書名:3.11後の放射能「安全」報道を読み解く
   社会情報リテラシー実践講座
著者:影浦 峡
発行所:現代企画室
発行年月日:2011/7/1
ページ:193頁
定価:1000円+税

3.11後の放射能「安全」報道を取り上げてメディアリテラシー、社会情報リテラシーの観点から分析している。日本は法治国家であるが、放射能の「安全、安心」について基準は何か?これを忘れた報道が駆け巡ってしまった。国土が放射能で汚染されてしまった。基準は法令で1mSv/年(外部被曝+内部被曝)と決められていたにも関わらず、政府、マスコミ、専門家、解説者からは全く出てこない。ネットで一部の良心のある学者などは1mSv以下を伝えてはいたが、ほとんど無視されてきた。

あくまで自説を吹聴して100mSv以下は安全だとか、20mSv以下は住んでも問題がないとか、健康被害はないと。こんな情報を垂れ流すことで益々信用されない情報が氾濫した。また風評被害(事実がないのに、事実のように言うこと)にしても福島の作物が売れないのは風評被害(暫定規定値以下をクリアしているのに)とあたかも生産者と消費者の問題に持って行った報道、本当は生産者・消費者の問題ではなく、原発政策を推進してきた政府・東電の問題。それを「風評被害」と言い換えてあたかも消費者が悪人の如く言ってきた。とんでもないはなし。また基準値を変えるのであれば当然法令の改正を所定の手順を行ってやるべき、たんなる学者の自説に載ってしまったマスコミの責任も大きい。

3.11後の放射能「安全」報道を約1ヶ月を分析して、作られてきた報道の流れを分析解析することで真の姿が見えてくる。放射能汚染の危険に、私たち市民はいかに向きあうのか。そのヒントが見えてくる。また報道の情報をどう読み解いていくか?自分で情報収集をして考えること、それがメディアリテラシーを実践する。知識と知っているのではなくどう行動できるかが、社会情報リテラシーの神髄だと解く。簡潔でわかりやすい読み応えのある本です。

1 はじめに
2 「科学」「安全」「安心」―問題を整理する
3 「基準」「被曝」「単位」―基本的な知識を整理する
4 基準と数値―報道を読み解く(1)
5 安心と安全の語り―報道を読み解く(2)
6 「安全」報道の波及効果
7 「安全」の視点から考える
8 おわりに

ベクレルとシーベルトの変換
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社会情報リテラシー講義 第1回 - ReaD & Researchmap
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