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樹の上の忠臣蔵

書名:樹の上の忠臣蔵
著者:石黒 耀
発行所:講談社
発行年月日:2007/12/5
ページ:317頁
定価:1700円+税

話は、父親から相続した高槻市内の山林にツリーハウスを造ったところから始まる。二人の子供が始めたコックリさんは、一人の幽体を呼び出してしまいます。幽体は荘右衛門と名乗り、大野九郎兵衛の部下だった武士。その幽体が赤穂浪士の討ち入りにまつわるはなし、その前後の赤穂藩の内情、討ち入り後の大野九郎兵衛が目指した壮大な徳川幕府倒幕計画を語る。

そして後半は荘右衛門の子孫小倉屋(白石正一郎)が下関で長州藩、薩摩藩などの尊王攘夷派、倒幕派に支援をして倒幕をして明治維新を迎えるまでの話。時代ミステリーです。赤穂浪士の討ち入りにしても、吉良上野介にしても普通に考えると何故仇役にならないといけないのか?仇討ちの対象にならないといけないのか?むしろ浅野内匠頭の方が悪人では?あくまで吉良は被害者ではといろいろ疑問があったが、この物語ではそんな疑問に答えてくれる。幕末どの藩も赤字財政で余裕のない時に、長州、薩摩には軍資金があったのか?そんな謎に答えてくれる。もっとも一つの説にすぎないが、なかなか説得力のある説で綴っている。