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本に出会う

悲華水滸伝

書名:悲華 水滸伝(上)
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1998/6/7
定価:2200円+税

書名:悲華 水滸伝(中)
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1998/7/7
定価:2200円+税

書名:悲華 水滸伝(下)
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1998/86/7
定価:2200円+税

宋時代の末期、梁山泊に108人の英雄が集まってくる水滸伝。初めて読んだのは吉川英治の水滸伝が初めて。また吉川作品を読んだのも初めて。実は吉川英治の絶筆となった本。実際は120回を予定していた作品の72回で途中で終わっていた。一応梁山泊に108人が集まったところで終わっている。何となく消化不良のような感じでもやもやとして読み終わったように思う。(何十年も前の話ですが)吉川英治の弟子の杉本苑子の吉川英治とは違った水滸伝です。吉川作品は独特の読者を引きつける話の進め方、なんとなく納得させる凄い筆力があります。この作品は静かな物語の展開でもじわじわとおしてくるなにかがあるように感じます。宋の末期の中国に集まった108人の末路まで描いています。水滸伝は作者によっていろいろと話が変わっていて、それぞれに面白さがありますが、単なる訳本ではなく。杉本苑子の水滸伝もまた面白い。108人の主人公達にそれぞれの思いを載せて読んでいける楽しさもある。読み方もいろいろあっていいのではないかなと思う。久々に水滸伝を読んで人の生き様の変わらないところが時代を超えて共通的な部分が多いことを再認識させられる。今の時代はちょっとおかしい方向に人と人の関係が向かってきているのではないかと気づかせてくれる。