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本に出会う

無門関プロムナード

書名:無門関プロムナード
著者:西村 恵信
画:西村 恵信
発行所:禅文化研究所
発行年月日:2004/3/1
ページ:265頁
定価:2415円+税

宋代の禅僧、無門慧開禅師が撰んだ48則からなる公案集、禅の基本テキスト『無門関』といわれているを初心者にも判りやすいように、著者が描く画とともに、ひとつひとつ懇切丁寧にかみ砕いて説いている。かみ砕けばかみ砕くほど禅問答になってしまう。判ったようで判らない禅が少し近づいてきたかなという本。

著者は「プロムナード(散歩)というのは、どこかに向かってまっすぐに急いで行くような歩きかたでなく、あたりの景色を楽しみながら、ときには立ち止まったり、しゃがんで小さな花を見つめたりしてまた立ち上がり、そのようにして当て所もなく歩くものです。」と言っているが、禅とは何かを知るために読むのではなく、禅の周辺を何となくうろつく、そのための案内図。気負わず気楽に判らないなりに楽しめる本です。