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新羽史

書名:新羽史
著者:新羽史編集委員会編
発行所:ニイサンマルクラブ
発行年月日:2004/3/5
ページ:193頁
定価:1500円+税

旧新田村(新羽・吉田)の歴史を紹介した本です。その昔太田道灌が亀甲山(旧資生堂研究所辺り)に陣を構えて約4ヶ月、小机城を攻めたとか?鎌倉の極楽寺にあった西方寺の建材を新羽に海、鶴見川を船で資材を運んできて西方寺を建てた。江戸時代の俳諧師松尾芭蕉は常識を破った革新的な考え方で俳諧を変えた人。「古池や 蛙飛び込む 水の音」これは従来の1000年以上に渡った和歌の常識、「かわずの声を聞く」を全く無視して蛙(かじかがえる)を扱っている。また俳諧をコミュニケーションの手段として、村々に俳諧を広めていった。そこで「貧乏でも良いんだ。身分の上下はない。平等主義」という思想を持ち込んだ。

その影響かこの新羽でも西方寺を中心に村人たちの俳諧が残っている。西方寺には句碑が残っている。ここも暴れ川「鶴見川」の功罪の影響で、水害にあったり、運送手段としての活用、など生活に欠かせない鶴見川とのつきあいがある。新羽中学校、新羽高校の建設当時には縄文時代、弥生時代の遺跡が出てきて発掘調査が行われている。神社仏閣の歴史なども紹介されており、新羽の昔を概略的に鳥瞰するには良い本です。

本書より
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図書館の中に私の小宇宙 荒井広和
今昔の新羽を語る鶴見川