書名:海峡
著者:伊集院 静
発行所:新潮社
発行年月日:1991/10/20
ページ:365頁
定価:1456円+税
瀬戸内海の小さな港町を舞台にした作者の自伝的小説。後に3部作になったようだ。
少年が10才の頃を描いている。土木工事、飲食店、旅館、ダンスホールなどを経営する父、そこで働く50人余りの人々が大家族のように寄り添って暮らす「高木の家」。その長男として生まれた英雄はそこで働く人々、小学校の級友、隣町の悪童などかけがえのない人との出会い、別れを通して幼い心を揺れ動かしながら、瀬戸内海の小さな港町の光景を叙情的語っている。著者の幼い頃を彷彿とさせる物語です。同じ年代の人なら自分の過去の懐かしい風景が浮かんでくる小説です。