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冬の旅人

書名:冬の旅人
著者:皆川 博子
発行所:講談社
発行年月日:2002/4/19
ページ:526頁
定価:2300円+税

幕末ロシアに画学生として留学した聖像画家山下りん女史をヒントにしたノンフィクション長編小説です。19世紀末帝政ロシア、17才の川江環は日本人として初めて画学生として留学を許させるが、規則ずくめの女学院での聖像画修行に嫌気がさして、女学院を抜け出し混沌のペテルブルグの貧民街、流刑地シベリアを彷徨い、それぞれの土地で絵筆をとって描く、ロシアという船はまさに帝政が崩壊して、ロシア革命の大きな渦の中に呑み込まれていく。

幼い頃見た一枚の西洋画に魅せられた川江環は、数奇な運命を体験する。高名な美術収集家トレチャコフ、怪僧ラスプーチンとも出会い、宮廷へと招かれ、ロマノフ王朝の人々とも出会うが、やがて革命に、その渦に巻き込まれていく。壮大な歴史ロマンです。