書名:佐江戸誌
著者:佐江戸誌編集刊行委員会
発行所:横浜市緑区佐江戸町内会
発行年月日:1984/3/31
ページ:246頁
定価:非売品
この本は佐江戸町内会が昭和56年に刊行した地元佐江戸の歴史を調査研究した本です。旧都筑郡の中では比較的平坦な土地が多く田も豊かだった地域ですが、鶴見川の氾濫で洪水の被害は毎年のようにあって、その洪水のお陰で土地が肥えるという地域で、川和、池辺、佐江戸、青砥(鶴見川の堰)などが隣近所づきあいのあった地域で、小学校なども都田小学校を共同で建設した。一時小学校があったが、今でも佐江戸には小学校はない。また中学校も。何故だろう!
明治に横浜線は開通していたが、この地域からは中山駅、小机駅は遠かった。鴨居駅の完成は昭和37年、その後松下通信工業の進出、田畑が工場地帯に変わって農家が激減したのも早かった。大正・昭和の生活の細々したことが古老の話として書いてある。なかなか面白い。こういう地域の歴史本というのは専門家が書く訳ではないので、アカデミックなところは少ないが、その地に生きてきた人々の情熱、その地に対する愛着などが滲み出てきて興味深く読める。
港北ニュータウンの開発が発表されてから、この地域の人々がどのようにこの開発を受け入れ賛成、協力していったかなど旨く纏められていると思う。加賀原などは佐江戸の内だった。