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滝沢馬琴

書名:滝沢馬琴 杉本苑子全集8
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1998/1/7
定価:3600円+税

『南総里見八犬伝』の作者滝沢馬琴の晩年を綴った物語です。『南総里見八犬伝』は、文化11年(1814年)から天保13年(1842年)までの28年を費やした。老齢と長年の多忙な作家活動のため目が見えなるところから物語は始まる。当時の作家活動、出版、版元、下絵描きなどの生活はいずれも貧しい生活。作家生活だけでは食べていけない。自家製の薬を売ったり、借家の家賃で生活している。目が悪くなって口述筆記をしてくれる人をいろいろ変えて、何が何でも『南総里見八犬伝』を完成させたいと焦るが、なかなか良い人が見つからない。最後に息子の宗伯の妻、土岐村路(お路)に口述筆記をしてもうことで完成まで持って行けた。筆記を始める前はお路はひらがなが書ける程度の実力。遅々と進まない、このやり取りなかなか迫力があった。葛飾北斎、安藤広重等当時同時代に生きた人々生き様も面白い。時代は丁度水野、鳥居の恐怖の時代が始まる少し前。