書名:関ヶ原
著者:岡田 秀文
発行所:双葉社
発行年月日:2013/7/21
ページ:387頁
定価:1700円+税
「関ヶ原」というと司馬遼太郎の作品があるが、この「関ヶ原」はちょっとレベルが低い感じがする。物語性も主役に誰にするか?作者の強調したい所など、少しピンぼけ気味。秀吉の正室・寧々と石田三成の関係は良くなかったと言われているが、ここでは新解釈を加えている。加藤清正などと同じように秀吉子飼いの三成、寧々にとってもやっぱり自分の子供と同じように考えていた。また石田三成に私欲はなく、豊臣秀吉が死去後の豊臣家をどうやって守っていくか?それのみで行動している。この物語では三成の娘・辰姫を養女にした寧々は天下の平安と豊臣家の安泰を願いながら、関ヶ原前後でも自分の出来ることをいろいろやっているが、どれも情報不足、情に流されて結局旨くいかない。寧々の視点から関ヶ原の戦いを物語っている作品。もう少しポイントを絞って欲しかった。