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珊瑚(さんご)

書名:珊瑚(さんご)
著者:新田 次郎
発行所:新潮社
発行年月日:1978/11/15
ページ:277頁
定価:980円+税

明治38年39年続けて起こった台風(当時は大嵐)によるさんご漁の船が遭難して大量の漁師が亡くなった。それを題材にした海を舞台の遭難小説です。
 
物語の舞台は五島列島の福江島と男女群島。一攫千金を狙うサンゴ漁が盛んで各地の漁師が訪れて賑わっていた。明治末期の金吾、新作、忠治の三人が周防大島で漁師になるところから始まる。漁師になって出稼ぎに行ってふるさと周防大島に戻って瓦葺きの2階建ての家を持つと夢を持って福江島の富江に出稼ぎに来てさんご漁の漁師になる。

3人の漁師ともに地元で継母と兄弟達と暮らす「はま」、はまに憧れを持つ三人、はまが父が亡くなって身を売られそうになるとき、3人はおとぎ話のような行動をとる。新田次郎の小説は女性の存在感が低いがここでは主要な登場人物になっている。久々に新田次郎を読んで見ました。