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江戸切絵図貼交屏風

書名:江戸切絵図貼交屏風
   (えどきりえはりまぜびょうぶ)
著者:辻 邦生
発行所:文藝春秋社
発行年月日:1992/7/30
ページ:355頁
定価:1553 円+税

武家の家に生まれたが、両親の反対を押し切って浮世絵師になった歌川貞芳。蔦屋の企画に載せられていろいろなテーマを選び艶やかな美人画、哀しげな美人画などを描く。そこに登場する女性達に関わる事件を解決していくというストーリー。短編9つの連作。ここには江戸の情景を細やかに描かれていて、何となく江戸のまちまちを歩き回っている気分にさせる。

江戸の古き良き時代を彷彿させる世界に導いてくれる。山本周五郎の世界と似たところがある。また作者のこどもの頃の東京の面影が感じられる。そんな追憶を懐きながら書いていたのではないだろうか。フランス文学者として有名な辻邦生としては異色な作品。でも面白い。