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道誉と正成

書名:道誉と正成
著者:安部 龍太郎
発行所:集英社
発行年月日:2009/8/10
ページ:393頁
定価:1700 円+税

時代は鎌倉末期。南北朝動乱は未だによく分からないことが多い時代。強い者につく変節漢、婆娑羅大名と言われた佐々木道誉。後醍醐天皇に忠節を貫き、湊川で華々しく散った忠君愛国の士ともてはやされる「悪党」楠木正成。この二人に焦点を当ててた小説です。室町幕府を開いた足利尊氏、直義、高師直、新田義貞などは脇役。道誉と正成は後醍醐天皇によって行われた王政復古にはかなり批判的で、武士、民のためにはこんな世は壊さないとこの国の未来はないと策略を駆使する。正成が忠節を誓った大塔宮(護良親王)を殺した足利直義を宿敵として、態勢が決まっていた湊川の戦いで華々しく散った。としている。全く性格も生き方も違う佐々木道誉、楠木正成敵対したり、味方になったりしながら見えないところでお互い認め合った友情が芽生えていた。そんな生涯を描いている。