情報環境整備
情報環境整備
「県立図書館再編整備について」/杉井鏡生
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1.公立図書館の役割
1.1.地域情報化と図書館
近年、地域の情報化政策において、図書館の役割が注目されている。
地域の情報化というと、ニューメディアと呼ばれる新しい情報テクノロ
ジーの導入自体が目的であるように考えられた時期もあった。しかし、
本来、地域の情報化とは、市民の社会における主体的な活動をサポート
するための情報環境を整備することだと考える。
だとすれば、そのために新しい情報テクノロジーも必要に応じては大
いに活用すべきであるが、その導入がすべてではない。それにとどまら
ず、市民の様々な情報活動の環境を幅広く整備することこそが地域情報
化のあり方として求められる。
その意味で、地域の図書館は市民の重要な情報活動拠点のひとつとし
て存在しているわけであり、地域の図書館についても、市民のより今日
的な情報活動のニーズな応えるための整備を図り、今後の地域情報化に
おいて重要な役割を担うことが期待される。
1.2.県立図書館の役割
図書館の再編整備にあたっては、全ての図書館があらゆる社会的なニー
ズに全方位的に応えることができれば望ましいことはいうまでもない。
しかし、現実には社会的な資源の制約条件を考えればその実現は容易で
はなかろう。
そこで考えられるのが、それぞれにおける役割の分担である。公立図
書館と民間図書館の役割の分担とともに、公立図書館においても、市町
村の近隣型の図書館と県立図書館との役割分担や相互補完も考慮する必
要がある。
県立図書館ならではの役割として、ひとつは、市町村図書館のパック
アップ機能が考えられる。また、市町村図書館ではカバーし切れない専
門的な情報サービス機能を担うことも考えられる。ともに今日の県立図
書館に求められる機能ではなかろうか。市民の情報行動の広域化と情報
ニーズの多様化がその必要性を高めているといえよう。
近隣型図書館のバックアップ機能としては、利用できる図書館の数が
増えるという効果とともに、多様でかつ個別的な情報ニーズに応えるた
めに、豊富な品揃えを提供できる情報センター機能としての役割も大切
となろう。専門的な情報サービス機能としては、従来の汎用的な図書館
にはない特定分野の専門情報に焦点をあて、その分野でのリファレンス
機能を含めたサービスを提供し、より広域的な情報拠点としての新しい
役割を担うことも検討されていいであろう。
また、地域の情報拠点としての役割を考えるとき、従来の図書館活動
の範疇にとどまらず、行政の縦割り組織にとらわれることなく、地域の
他の文化施設や文化活動、広報・広聴や情報サービス活動、研究機関な
どとの、情報面および、人的、組織的な相互ネットワークを強化してい
くことが望ましい。
2.情報の役割の変化
2.1.時代の変化と情報活動の変化
第1章では、図書館を市民の情報活動拠点のひとつとして位置付けた。
しかしながら、図書館が情報活動拠点として機能するためには、時代と
ともに社会的な情報活動のあり様が変化するように、図書館の活動も変
化が求められてくる。
たとえば、従来のように本や冊子という形態のものの管理と活用を中
心とした活動だけではなく、より幅の広い情報サービス活動への展開が
求められてくるだろう。
もちろん、本は今後も図書館の情報サービスにおける重要なメディア
でありつづけるであろう。しかし、情報サービスという視点から考えれ
ば、本という形態のものにとどまらず、より多様なメディアへの対応も
必要となってこよう。
また、扱うメディアの多様化が求められるだけでなく、サービスのあ
り方についても、本にしろ、他のメディアにしろ、そうしたメディアの
提供と管理を中心とするだけでなく、人々が情報を活用するための情報
活動そのものを支援するサービスも必要になってこよう。
こうしたなかで、市民の新しい情報活動のニーズに対応した図書館に
おける情報サービスを考えていかなければならない。
2.2.情報化社会の図書館情報サービス
新たな情報化社会に対応した図書館情報サービスについては、1.メ
ディアの多様化への対応、2.情報ニーズの多様化への対応、3.情報
の管理から活用への対応、の3つのキーワードから考えたい。
(1)メディアの多様化への対応
今日、われわれは多様な情報メディアを通じて情報活動を行うように
なっている。図書館においても、地域の情報サービス拠点としての役割
を担うためには、従来の本を中心としたメディアに限らず、ニューメデ
ィアを含めた様々なメディアへの対応が迫られている。
その意味で、図書館においても、ニューメディアの導入にも積極的で
あるべきだ。しかしながら、新しいメディアを導入すれば、それで従来
のメディアを置き換えられるわけではない。
ニューメディアというのは、オールドメディアを単純に置き換えるも
のではない。従来のメディアに加えて、従来のメディアにはない表現と
伝達性を持つ多様なメディアが登場することで、それぞれの情報活動に
適切なメディアを選択できる幅が広がるということでもある。
ニューメディアについては、新しい特定のメディアのことだけを意味
すると考えるよりも、技術的な要因から限られたメディアに頼らざるを
得なかった従来の情報活動に対して、メディアの選択肢がより広がった
新しいメディア動向を示す言葉と考えてもいいだろう。
この視点から考えれば、地域の情報拠点としての図書館は、新しいメ
ディアの導入にも積極的であるべきというだけでなく、従来から扱って
いるの本というメディアに加えて、テレビなどから生身の人(会話や講
演、相談など)にいたるまで、多様なメディアを必要に応じて多角的に
活用することが望まれる。
(2)情報ニーズの多様化への対応
市民の生活行動の多様化、価値観の多様化、自己実現欲求の高まり、
高齢化、高学歴化、グローバル化といった社会の変化にともない、市民
の情報ニーズは大きな変化をみせており、図書館における情報サービス
のあり方も、こうした変化への対応が迫られている。
今日、市民の生活行動は、交通や情報ネットワークの拡大によって行
動範囲がより広域化するとともに、長距離通勤や共稼ぎ世帯の増加、そ
の一方での高齢者の増加など生活様式の多様化にともなって生活時間も
より多様化する方向にある。
地域の情報サービスは、こうした生活者の多様化する生活行動に合わ
せた多様なサービス形態と運用が求められてくる。
とくに、ネットワーク社会の進展によって、県民という概念も、これ
からは神奈川県に住む人や神奈川県で勤務する人だけではなく、神奈川
県に何らかのつながりや関心をもつ人々も含めて、お互いの智恵を共有
し交流することで、地域を発展させるための人的なネットワークという
枠組みで考える必要がでてこよう。
また、市民の価値観の多様化や自己実現欲求の高まり、高齢化・高学
歴化の進展は、市民の情報活動にも変化をもたらす。たとえば、それは
生涯学習への意欲の高まりとなったり、非専門家である市民が社会的な
事象へのより自主的な判断を持つために専門的な情報を求める活動となっ
たり、より自立的な社会活動をするための案内情報を求める活動などと
して現れる。
地域の情報拠点としての図書館には、今後、こうした利用者の多様で
自発的な情報活動をサポートするための情報の提供とサービスが求めら
れてくる。
また、社会・経済のグローバル化の進展にともなって、地域における
外国人に対する情報サービス、海外に関する情報サービス、海外への情
報サービスも、これからの図書館の情報サービスとして求められてくる。
(3)情報の管理から活用への対応
これまでの情報サービス部門の役割については、企業においても、公
的機関においても、情報を管理する部門というイメージが強くあった。
しかし、これからの時代は、人々がきちんと管理された情報を効率的に
受け取るというだけでなく、情報を活用し、より能動的に社会的な情報
活動に関わっていくことが求められる。
情報サービス部門にとって、情報の管理は今後とも重要な役割である
ことに変わりはないが、これからは、情報の管理にとどまらず、利用者
が情報を活用するための仕組みづくりに重点をおいた情報サービスのあ
り方が問われてくる。
活用の仕組みづくりについては、ひとつは情報の形態の問題、もうひ
とつはサービス運営の問題が考えられる。
サービスされる情報の形態については、本や雑誌のようにあらかじめ
編集された情報の提供も大切であるが、今後はそれだけではなく、たと
えばデータベースのように、利用者が情報を自ら自由に集計したり、加
工・編集できるような仕組みを持った情報の提供をすることも必要になっ
てこよう。
サービス運営については、サービスをする側の視点で価値あると思わ
れる情報の品揃えをするというだけでなく、利用者のニーズを的確に掴
んでそれに応えた品揃えを心がける必要がある。
また、価値ある情報がありながらも、それを管理・保管する仕組みば
かりが優先して、活用されるための仕組みが不十分なために、折角の情
報が有効に利用されていないケースもみられる。
必要な人が必要な情報に容易に出会えるためには、適切な案内、広報
活動、利用時間や利用場所の検討、それらを実現するための様々なメディ
アの有効活用など、利用者の情報活用をサポートするための運営面での
より一層の工夫が求められる。
3.情報サービス部門の役割
3.1.図書館情報サービスに求められるもの
図書館が今日的な「情報サービス機関」としての役割を果たそうとす
るときに求められるのは、市民の自立的な情報活動のサポートである。
そのためには、情報が、「身近であり」「豊富であり」「使いやすい」
ことが大切である。こうした要件を別の言葉で表わせば、アクセシビリ
ティの提供といってもいいだろう。この場合のアクセシビリティとは、
”いつでも、どこでも、だれでもが必要とする社会的な情報にアクセス
できる環境”ということである。
その意味では、図書館の問題だけというよりは、行政全体の問題でも
ある。たとえば、地域行政における情報公開が十分になされているかど
うかも、情報アクセシビリティの重要な要素である。
情報公開に限らず、情報を必要とする人が、その情報をなるべく容易
に使いやすく分かりやすい形で利用できる仕組みを提供することが、地
域の情報サービス機関の役割となる。
そのためには、情報サービス機関は、必要になるであろう情報を取り
揃えておくのはもちろんだが、それを保管・管理するだけではなく、利
用者が必要な情報にアクセスし易いように、適切な案内サービスを含め
た活用の仕組みづくりが必要となる。
案内情報については館内にとどまらず、広報紙誌やその他各種の活用
可能な情報ネットワークなど多様なメディアを通じて提供することで、
サービスそのものへのアクセシビリティを高める工夫も必要である。
また、理想論としては、身近な地域にすべての情報が豊富に揃った図
書館があることが望ましいが、これは必ずしも現実的な話ではない。身
近な図書館ですべての情報を揃えられない場合は、そこにない情報はど
こで手に入るかといった情報の案内サービスを提供することで、間接的
なアクセシビリティを高める工夫も考慮されるべきである。
一方、これから求められる情報の形態としては、従来の本やビデオ、
CDなどのAVソフト等のほか、より専門的な図書館を運営する場合に
は、データベースの利用、専門紙誌のバックナンバー、「灰色資料」と
いわれるような公開可能でありながら一般人には入手が難しい調査報告
書等の資料類、専門情報に関する関連団体・機関や専門家に関する情報
も必要になってくる。
これからは、特定分野の情報に詳しい人についての人的情報の役割は
大きくなると考えられる。たとえば、この事はこの人に聞けばいいとい
う情報である。こうした分野では、とくに地域の人的情報などについて
は自前のデータベースを構築することも検討されていいだろう。
また、情報の活動の公平性の観点から、障害者や高齢者など、情報ア
クセスにおけるハンディキャップを持つ人々への配慮もなされるべきで
ある。この面では、ハンディキャップをカバーする代替メディアの提供
や新しい情報技術の利用によって、アクセシビリティを高める努力が求
められる。
その一方で、新しい情報技術が次々と登場し導入される自体において
は、それを利用できる人と利用できない人々の間で、新たな情報格差を
生み出してしまわない配慮も必要である。
しかしながら、そこでは必要とされる新しい情報技術を導入しないこ
とで公平性を保つという消極的な対応ではなく、誰でもが使い勝手のい
い技術の開発を進めることや、新しい技術を使いこなすための学習の機
会を提供するといった、技術面での情報アクセシビリティを高めるなど
の、積極的な対応を図っていく姿勢が必要である。
3.2.担当者のスキルアップ
(1)情報を扱う基礎的なスキル
図書館などの情報サービス部門において、情報を扱うために求められ
る基礎的なスキルとしては、従来からある、情報学の基礎、図書資料等
の収集・管理・利用に関する企画・運営・評価の手法、図書館のマネジ
メント、情報源に関する知識などは、今後とも必要であることに変わり
はない。
しかし今後は、対象とする情報が図書資料にとどまらず、オンライン
ないしパッケージのデータベース利用が一般的になるとともに、館内に
おける情報の管理や情報のサービスにおいても、コンピュータ・ネット
ワークの利用なしには考えられない。
これに備えるためには、図書館員は情報システムの専門家である必要
はないが、情報ネットワークについての基礎的な理解を持つとともに、
管理およびサービス業務においてコンピュータ・ネットワークを活用す
るための基礎的なスキルが求められる。
ただし、この場合も、必要な「技術」はテクニカルなコンピュータの
操作方法や知識ではなく、情報を活用するための「技術」であることを
忘れてはならない。
また、専門図書館としての役割を目指すためには、専門分野の情報源
に関する基礎的な知識も欠かせないものとなろう。とくに、専門分野に
おいては、市販の書籍や定期刊行物だけではカバーし切れないところに
重要な情報ニーズが発生するだけに、各種の調査レポートや、学会・イ
ベント、その分野の専門家などに関する情報や、そうした情報源への辿
りつく方法も知っておく必要がある。
さらに、市民の活動範囲の広がり、産業活動における業際化、学術活
動における学際化など、従来の枠組みを越えた社会活動の進む今日では、
専門情報を求めるのは、その分野の専門家ばかりではない。その意味で
は、専門分野の情報サービスの対象者として、非専門家をも考慮に入れ
ておく必要がある。
こうした非専門家への情報サービスの質を上げるためには、非専門家
の情報ニーズを的確に聞き出すためのインタビュー技術、それに基づい
て必要な情報へ辿りつけるように案内をするためのナビゲーション技術
も必要となってこよう。
このように、図書館が地域の情報サービス機関としての役割を果たし
ていくためには、情報を管理するためのスキルだけでなく、これからは、
情報を活用するためのスキルを高めていくことが求められる。また、そ
のスキルは情報ニーズの変化にしたがって、常に見直され新しいニーズ
に対応していくことが求められる。
(2)情報サービスのスキル
図書館が地域の情報サービス拠点としてあるためには、情報を扱うた
めの基礎的なスキルとともに、情報サービスについてのスキルも忘れて
はならない。
この点で大事なことは、図書館はサービス業であるという意識改革で
ある。
サービス業であるからには、マーケティングの考え方が必要になって
くる。今日におけるマーケティングの考え方としては、従来のような提
供者側の論理だけでサービスを提供するプロダクト・アウト型のもので
はなく、利用者に密着して、そのニーズを引き出してそれに応えるマー
ケット・イン型の発想が求められている。
そのためには、利用者とのニーズを汲み上げるためのコミュニケーシ
ョンを積極的に進めるとともに、潜在利用者を含めた幅広いニーズを把
握するためのスキルの向上と仕組みづくりが必要になってくる。
また、サービスそのものの企画力も大切である。この場合も、活用さ
れるためのサービスに重点をおいて、サービスの新規性ばかりでなく、
利用のしやすさ、分かりやすさに配慮した企画力が求められる。
サービス実務のなかでは、利用者のニーズにきちんと応えるためのス
キルとして、利用者の要求意図を明確にするためのヒアリングや質問な
どのコミュニケーション力の育成も欠かせない。また、図書館の活動を
知らせるためのPR活動も必要になってくるので、PRのマネジメント
力やプレゼンテーション力も必要なサービス・スキルとなろう。
3.3.情報サービス部門の組織運営
情報サービス部門の組織運営については、人材の確保・育成と組織の
活性化が重要な課題となろう。
(1)人材の確保と育成
新しい情報サービス機関としての図書館を考えたとき、そのための新
しいスキルをもった人材の確保と育成については、教育機関などにおけ
る社会的な教育システムがまだ十分に出来ているとはいえない。
(情報資源の知識と管理に関するカリキュラムが中心で、情報サービス
に関するマネジメントやサービス技術に関するカリキュラムがまだ少
ないという意味です...筆者註)。
その意味では、情報サービスのスキルを持った人材育成システムをど
う作っていくかは今後の社会的な課題である。しかし同時に、情報分野
は技術等の変化が激しい世界であるだけに、一定の教育を受ければそれ
でスキルが完成するというものではないことも考えておかなければなら
ない。なんらかの資格をとれば、それで十分ということではなく、どの
担当者にとっても、継続学習の機会を持ち、新しい視点でスキルを評価
し直していくことが求められている。
人材の確保にあたっては、まず既存の司書にも、積極的に新しい分野
でのスキルアップを奨励・促進するとともに、従来の図書館員ではない
新しい分野の人材にも積極的に門戸を開き、従来のライブラリアンとの
交流を通じて、新しいライブラリアンを育てていくことも必要であろう。
また、図書館におけるネットワーク・システムの導入が広がっていく
ことを考えると、図書館においても、システム開発やコンピュータの専
門家である必要ははないが、情報システム責任者の養成・確保が必要に
なってくるであろう。
今日、情報サービスへのニーズの範囲が非常に広くなっていることを
考えれば、すべてのサービス機能をひとつの図書館やひとつの地域でカ
バーするのは費用的にも物理的にも難しくなってくる。こうした場合、
地域的にも組織的にも従来の行政の枠にこだわらず、県内外の様々な関
係機関や団体・個人との連携を密にすることで、情報サービス面、人材
面でのネットワークを図っていく方策も、相互的な人材確保の手法とし
て検討されていもいいだろう。
さらに、サービス提供者としての図書館員だけがスキルを持つのでは
なく、市民向けの「情報活用講習会」「データベース活用講習会」など
の開催を通じて、利用者である市民自身が自立的に情報システムを活用
できるスキルを持てるようにすることも、地域における広い意味での人
材確保として検討されるべきであろう。
(2)組織の活性化
組織の活性化は、やはりそこに働く人自身のやり甲斐がベースになる。
そのためには、本人のやる気も大切だが、仕事に対する適切な評価システ
ムが求められる。第一には、情報サービス機関としての図書館に対する社
会的な位置付けと評価を明確にすることが必要である。この場合、教育委
員会などの枠にとどまらず、地域におけるトータルな意味での情報サービ
ス機関としての位置付けから考える必要があるだろう。
第二に、図書館組織内においては、情報サービスのような専門的な職務
については、従来のライン組織を管理する評価システムにこだわらず、専
門職としての評価の仕組みを積極的に取り入れていくことも必要である。
これからの情報サービス担当者は、ますます専門的な技術が求められて
くるとともに、そうしたものに対する継続的な学習が欠かせなくなるだけ
に、創造的なモチベーションをより一層高めていくような組織マネジメン
トの工夫が求められる。
ただし、専門職的であるからといって、専門領域に閉じ篭ってしまって
は視野を狭くすることになる。今日では、情報サービスの内容はより広範
囲に広がっており、そうした多様な利用者のニーズに柔軟に応えるサービ
ス業務の質を高めるためには、情報に関する専門技術の習得だけに陥るこ
となく、職員の社会的な見聞を広める機会を増やしたり、他の分野との積
極的な交流の機会を与えるなどによって、組織にダイナミズムを作り出し
ていくことも必要である。(了)
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