房総移転に伴

2014年5月19日に有機JAS認定再取得しました



生産行程管理規定
格付基準


 有機認証にあたり、認証機関に届け出たアウルファームの生産行程の管理規定と栽培基準を転記しておきます。アウルファームの有機野菜栽培の基本的な部分の紹介です。なお、ここで定める栽培上の取り決めは当然のことながら、有機農産物の日本農林規格に準拠しています。(そうでなければ認証は受けられません)



生産行程管理規定

(2014年2月1日改定)

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 アウルファームでは2014年春の時点で過去2年以内に使用禁止資材を投入した履歴のある圃場での栽培は行わない。現在使用する1.85haのうちこの条件に抵触する圃場はなく、原則通りであるといえる。
 また、隣接圃場での使用禁止資材の散布がないことを基本とする。ただし、使用禁止資材の散布等を行う圃場が隣接する場合は3m以上の緩衝地帯を設けることとする。

@種苗及び資材の入手に関する事項
 種苗及び資材の入手に関する基本姿勢は地球環境への負荷がより少ないものを選ぶこととする。また、繰り返し使用するものはより長く使用することで環境への負荷を小さくする。
・種は自家採取を目指す。が、F1種全盛の時代に多品目をカバーすることは困難なため、
 種苗会社等から入手する。ただし、遺伝子組換えフリーのものに限る。
・ 苗は自家育苗する。ただし、種イモ類、ブルーベリー、サツマイモ、ミョウガ、ショウガ、エシャレットに関してはこの限りではない。種苗店等で国産品を購入または地域農家から入手する。なお、育苗に失敗し、やむを得ない場合は苗を購入する。
・ 種蒔用及び育苗用培土は、「有機栽培の土」「赤玉土」を使用する。
・ マルチ用資材は分解しないものを使用する。
・種苗は有機農産物の日本農林規格に定める禁止資材による処理の行われていないものに順次切り替えるものとする。

A肥培管理及び有害動植物の防除に関する事項
日本農林規格に定める有機農産物を生産するための遵守事項に沿った栽培をするために以下の項目を規定する。
・ 使用する有機質肥料及び土壌改良資材は以下のものとする。いずれも有機JAS対応資材証明書つきに限定する。(使用資材リストは別途作成し、提出)
鶏糞
蠣殻
魚粉
米ぬか
 かずさもみがら牛糞堆肥  
・有害動植物の防除について
出来得る範囲での防除作業はするが、基本的には放任。
アブラムシ…天敵のてんとう虫などに任せる。ただし、育苗中や異常発生の場合は手でつぶす。      
アオムシ…手でつぶす。春夏のアブラナ科にはベタ掛け資材でチョウの産卵を防ぐ。
ニジュウヤホシテントウ…手でつぶす。特にじゃがいもについたものは徹底的につぶし、夏のナス科での繁殖を未然に防ぐ。
 大たばこ蛾の幼虫…手でつぶす。黒蜜で誘い捕殺する。 
 その他の害虫など…見つけ次第手でつぶす。
野生動物(ハクビシンなど)…野生動物が好んで食べるものの作付け場所を工夫する。ベタ掛けできるものは資材で覆う。罠を置き捕獲し行政に届ける。
鳥について…防鳥ネットやテグス、ベタ掛け資材で防ぐ。または放置。
雑草について…野菜の生育の妨げにならない程度に手、鎌、刈り払い機等で除草する。ブルーベリーの根元には雑草除けのもみがらを置く。 
適切な輪作で、圃場環境のバランスを良好に保ち、自然界の食物連鎖により、偏った害虫の繁殖を防ぐということを基本姿勢とする。
 なお、以上の有害動植物対策では当然限界がある。したがって、有害動植物による効率低下は許容する。
・病気の予防と対策
 より良い土壌環境を実現し、適切な輪作をすることが作物の順調な生育を促し、病気を防ぐと考える。化学的防除は一切行わない。
苗を健康に育て、適切な時期に移植する。また、必然性の高い場合はマルチをする。
病気発生の場合は、病気部位または株全体を圃場外へ廃棄する。

B生産に使用する機械及び器具に関する事項
   機器名          取得年月        
 トラクター (60ps)      2000年9月
 トラクター (62ps)     2002年3月
 管理機            2000年9月
 軽トラック          2012年8月
 ロータリー          2000年9月
 ブレンドキャスター      2002年3月
 草刈り機           2012年9月
 草刈り機           2004年3月       
 マルチャー          2001年8月
 種蒔ごんべえ         2011年9月
 オートモア          2003年4月
 ロータリーマルチ       2004年2月  
 ネギ用畝立て器        2007年5月
 マルチカッター        2001年3月

・以上の農機具は原則として有機登録圃場以外の圃場での使用は行わない。やむを得ず使用した場合は使用後に洗浄し、作業日誌に洗浄の記録を残す。

C輸送、選別、調整、洗浄、貯蔵、包装その他の工程に関する事項
 日本農林規格に準拠してこれらの作業を行う。
 圃場から作業場まではコンテナなどにつめて軽トラックで輸送。輸送時間は最長で5分程度。
 選別、調整、洗浄(水のみ)、包装はすべて手作業で行う。貯蔵は鮮度低下予防措置をして、コンテナに入れて自然状態または保冷庫で保存する。なお冬期の根菜類は穴を掘り、もみがらおよび土をかけ、シートをかぶせて保存する。イモ類はそれぞれの適正温度を確保できる状態で、掘った穴または室内、保冷庫などで保存する。

D出荷に関する事項
 ・日本農林規格に準拠して出荷する。
 ・生産管理規定に基づいて生産された荷口を格付けして、合格品にJASマークをつけて
  出荷する。ただし、宅配分については格付表示を省略する。
・宅配の出荷はクール便または通常便で行う。
 ・包装材、荷姿について
 かぼちゃは包装なしで出荷する。他はすべて鮮度保持袋に入れて出荷する。ブルーベリーはプラ容器に入れて出荷する。宅配出荷のネギなどは新聞紙で包んで出荷する。

E年間生産計画の策定及び当該計画の認定機関への通知に関する事項
 年間生産計画を毎年策定し、栽培計画書を認定機関に通知する。

F生産行程の管理または把握の実施状況についての認定機関による確認等業務の適切な実施に関し必要な事項
 生産行程管理記録簿を常備して認定機関による業務が滞ることがないようにする。なお、記録簿は電子化し、年度ごとのフォルダに分け、USBメモリー等に保存する。

G管理体制、組織に関する事項
 農場規模の変化や時間経過により生産行程管理担当者及び格付担当者の資格要件を満た 
 す者が複数になった場合、管理体制及び組織内容を見直し、更新を行うものとする。

H規定の見直しや改廃に関する事項
 生産管理体制の変化に対応する規定の見直しや改廃を年1回以上行い、新たな規定を認定 
 機関に報告する。

Iその他の事項
・ やむを得ない理由により認定に係る圃場が有機農産物の日本農林規格第4条に定める圃  
 場等の条件に適合しなくなった場合、速やかに認定を行った登録認定機関に報告する。
・ 生産管理に関する業務について外部に委託する場合は、契約書を作成しそれぞれがこれを保持し、要請に応じて認定機関に提示する。
・ 認定を行った登録認定機関により実施される調査を受け、その結果に基づき、必要な是正措置をとり、これを認定機関に報告する。
・ 管理に関する記録はこれを3年以上保持管理する。
・ 規定を従業員に周知徹底するために、日次業務の中で、年1回以上栽培行程管理責任者が個別に指導する。なお、従業員数が10名を越える組織になった場合は定期的に研修を行うものとする。
・ 出荷した荷口についての苦情処理記録簿を作成し、年度ごとの更新時に認定登録機関にこれを報告する。
・ 出荷した荷口に事故が起こった場合、事故記録簿に記録し、速やかに認定機関に報告する。

【栽培基準】
@ 播種について
  マルチなしの場合…1週間程度前に圃場の準備を済ませ、土に適度な水分があるとき
           に「種蒔ごんべえ」で種を播く。
  マルチありの場合…1週間程度前に元肥などのすき込みを済ませ、土に適度な水分の    
           あるときにロータリーマルチでマルチを張り、マルチカッター   
           等であけた穴に手で播種する。
  育苗の場合…育苗箱または育苗ポットに、有機栽培の土と赤玉土を用いて作った苗床に手で播種する。
  育苗について
 育苗培土は、「有機栽培の土」「赤玉土」を使用する。
・育苗トンネル内で育苗し、鉢上げの必要なものはポリポットに移植し、植付けまでに
本葉5枚程度の健康な苗を育てる。
・ 育苗中は苗につく害虫を手でつぶす。

A 植付けについて
・ 植付け1週間前までに元肥のすき込みなどを済ませ、土に適度な水分のあるときに必要な場合はマルチ張りをし、適切な株間を考えてマルチカッター等であけた穴に植付け適期の健康な苗を植えつける。
・ 植付けは品目による有効性を判断してマルチをすることとする。
・ 低温期の生育促進および虫害予防のためにベタ掛け資材で上掛けする。
・支柱やネットなどを必要とするものはマルチ張りと同時に準備を済ませておく。
・ トマトで使う資材…トマトアーチ支柱、イボ竹支柱、バーナル、らせん杭、パッカー、マイカ線、プラ杭、紐、S字フック
・ きゅうり、インゲン、ニガウリで使う資材…きゅうり支柱、きゅうりネット
マイカ線、イボ竹支柱、紐、S字フック
・スナックエンドウで使う資材…イボ支柱、マイカ線、らせん杭、キュウリネット、紐      
・ピーマン、なすなどの果菜類で使う資材…杭、マイカ線、紐、イボ竹支柱

B 植付けについて
・ 植付け1週間前までに元肥のすき込みなどを済ませ、土に適度な水分のあるときに必要な場合はマルチ張りをし、適切な株間を考えてマルチカッター等であけた穴に植付け適期の健康な苗を植えつける。
・ 植付けは品目による有効性を判断してマルチをすることとする。
・ 低温期の生育促進および虫害予防のためにベタ掛け資材で上掛けする。
・支柱やネットなどを必要とするものはマルチ張りと同時に準備を済ませておく。
・ トマトで使う資材…トマトアーチ支柱、イボ竹支柱、バーナル、らせん杭、パッカー、マイカ線、プラ杭、紐、S字フック
・ きゅうり、インゲン、ニガウリで使う資材…きゅうり支柱、きゅうりネット
マイカ線、イボ竹支柱、紐、S字フック
・スナックエンドウで使う資材…イボ支柱、マイカ線、らせん杭、キュウリネット、紐      
・ピーマン、なすなどの果菜類で使う資材…杭、マイカ線、紐、イボ竹支柱

C直播、植付け後の管理について
・ 除草作業は適宜行い、作物の順調な生育を助ける。なお、除草作業は手、鎌、草刈り機、管理機、ロータリーなどを用いて行う。
・ トマトは芽かき及び支柱への固定などを適宜行う。またキュウリもネットへの固定を適宜行う。トマトは6段花房まで管理し以後は放任する。キュウリは5節までの側枝、雌花はすべて除去する。
・ なす、ピーマンなどの果菜類は3本仕立てを行い、杭、マイカ線、イボ竹支柱などを用いて倒伏防止措置をとる。以後は放任栽培とする。
・ 植付け後、放任可能なものは全て放任する。

D収穫について
・ 収穫は手作業で行う。
・ 収穫作業は出来得る限り早朝にする。ただし、早朝である必然性のないものはこの限りではない。また、厳寒期は日中に収穫する。

E土作りについて
・ 10アールあたり、鶏糞200kg、蠣殻200kg、米ぬか30kg、魚粉40kgを基準に、圃場状況、作付け品目、前作、土壌診断などにより増減させる。
・ 土作りは元肥全量主義で、追肥は栽培機関の長いもので必要な場合のみ行う。追肥は魚粉、鶏糞、牡蠣殻を用いる。
・ 土作りで使う機器は次のものとする…トラクター2台、ロータリー、ブレンドキャスター


格付規定
(2013年2月1日制定)

【戻る】

@「生産行程についての検査」に関する事項

 JAS法に準拠した生産管理規定に沿って栽培された収穫物であることを検査確認し、収 

 穫物の行程管理履歴を確認して記名捺印する。

A格付の表示に関する事項

 生産行程についての検査に合格した収穫物をJASマークにより有機農産物であることの

 表示を行う。

B格付後の荷口の出荷又は処分に関する事項

 格付後の荷口は出荷先毎に日付、数量を記録し出荷記録簿を作成する。また、JAS

 ーク表示後に何らかの理由で処分を余儀なくされた荷口の数量も記録し、JASマークの管理を正確に行う。

C記録の作成及び保存に関する事項

 格付業務の記録を作成し、文書を電子化し、フラッシュメモリー及びCDにその記録を  

 保存する。

D認定機関による確認等業務の適切な実施に関し必要な事項

 上記業務の適切な実施が滞りなく遂行できるように、電子文書化した格付業務等の記録

 を要請に応じて印刷し即時に提示することとする。また、人員も対応可能にしておく。

E管理体制、組織に関する事項

 農場環境の変化に準じた管理体制や組織の見なおしを必要に応じて行うものとする。

F規定の見直しや改廃に関する事項

 規定類の見なおしは毎年行い、必要に応じて新規定を加えたり改廃を行うなどして適切 

 な格付業務を行うための環境を整える。

Gその他

 規定を従業員に周知徹底させるために、日次業務の中で、格付責任者が個別に指導する。なお、従業員数が10名を越える組織になった場合は定期的に研修を行うものとする。


 以上がアウルファームの有機野菜の栽培上の決め事で、これに従って生産したものを出荷しています。なお、出荷する野菜の履歴もいつでも開示できるように栽培管理記録簿や作業日誌で履歴管理をしています。(JAS法で義務づけられています。)

●援農ボランティア募集しています。
 安全で美味しい有機野菜の生産、販売には慣行農業では必要でなかった仕事が多く、有機農家を圧迫しています。より多くの消費者の理解と支援がなければ今後の発展は困難です。援農ボランティアは理解と支援そのものです。アウルファームでは農場体験が食の安全意識と直結し、今後の食をとりまく環境をよりましな方向へ向けていく近道と考え、ボランティアを常時受け入れています。個人でもグループでも歓迎いたします。