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【実践教育指導マニュアル】子どもと親と先生のための表現能力育成法
川村史記・福島康 共著
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1995年頃からのことでした。当時、筆者は情報教育関連の取材で小・中・高を訪問したり、教師の方々に一般社会が求めている情報リテラシーの基本を話したり、中小企業の人材教育に携わる機会が多くなってきていましたが、取材現場や招請された教育講座の現場で遭遇する若者達やその若者を指導する役割の教師および大人達の少なからぬ部分が、対面してもエネルギーをあまり感じることができない表情の乏しい人々だったのです。
教育の現場がこのような状況であるかぎり、インフォメーション・テクノロジー(IT技術)の自在な活用ばかりを日本政府が声高に叫んでも、それを可能にする人材は育つわけがありません。ましてや、企業や組織が熱望する人材像は、IT技術の自在な活用ができ、なおかつ『創造性溢れる若者達』ですから、エネルギー不足の無表情な教育現場にその実現を期待しても、文字通り、ないものねだりになるだけです。
そうであるならば、無表情を生み出している環境、すなわち休耕田のようなささくれた小石混じりの野っ原になってしまった教育の現場を、里山文化に囲まれた実り豊かな水田のごとき生産の場に再生する作業を、なんらかの形で直ちに開始しなければなりません。
そこで、 表現指導の第一人者である福島康が取り組む
◎ 『こころ』と『からだ』の解放−ワークショップ
に注目し、『教育現場の心を耕す農作業』ともいうべきその実践を取材する一方、川村と福島の長期にわたる継続的な対論を記録することに着手しました。
その結果このたび、そうした資料を素材に、福島康の取り組みの本質を具体的な『表現指導の書』へと具体化する書籍を世に出すことができたわけです。そして本書が完成した現在、書き手の私どもとしては、皆さんに大いに使っていただきたいわけです。さらに欲をいえば、小・中・高の児童や生徒のみならず、大学の学生や職場の若者達の表現指導の手引書としても本書が活用され、日常的に、多くの人々の心と身体の解放に寄与することを願ってやみません。
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