◆東京都 伊豆新島
        
 平成31年3月13日

今日も新島は暴風波浪注意報が出ている

5時半に目を覚まし、布団の中から外の気配を探る

ビューーッ
ごっつい風が吹いてんがな



   ― 今日の戦略 ―

あれもこれも出来ないので出来る釣りを実戦

まず、この高波 ウェーダーを持って来なかったのでメインプランだったサーフでのルアーフィッシングは

昨日のアミエビ&オキアミが残っている
反応もそれなりにあったし、今日はサビキ&カゴで上物狙いといたしましょう


風裏となるトンネル手前の羽伏浦港に到着

昨日買った残りのアミエビとオキアミは解凍されてエエ具合

サビキ仕掛けは…北海道のシシャモ用(2号ハリス)でええか
なんで南の島でシシャモ??? ➝ 余ってたから

竿はバスロッド

だから10本針の仕掛けは長いし無駄
半分に切ってセット

針にはオキアミを刺し、足元に仕掛けを落とし込む

おっ一投目からアタリ!
ただ乗らない

二投目 またもアタリ!
でも乗らない

このパターンはまずいぞ
するとアタリすらなくなった…



青い海をボーッと見ていたら

うわぉ 海亀が居てる


こんなに長いこと、あっちこっちで釣りをしているのにウミガメとは初遭遇

デジカメを車に取りにゆき、とりあえずシャッター

続けてナイスショットをとピントを合わせいたら海底へ潜ってゆく

出てくるをファインダー越しに待つが…

竜宮城に帰ったみたい…

最近バードウォッチングに凝っていて、ついでにこんな鳥(イソヒヨドリ)もパチリ



ジギングは出来ず、顔面強打でメガネは歪み、強風でバッカンをさらわれ、一つも良い事がなかったこれまでの新島遠征

ところがウミガメとの遭遇で一気に気分が高まった!
よーしガンガン攻めるぞ!

濡れて海藻が蔓延る波止の上を転ばぬよう小股で沖向きに移動

水の色が黒く雰囲気ありそう

その一投目 ググッと今日イチのアタリがきた!

抗うサカナ こりゃいただき!

でも…

イヤイヤもう一回あるとチャレンジし続けていると、ヘルメットを被ったお兄さんが「工事をしますので移動願います」

やる気出てきたのに…仕方ない



次に向かったのはトンネル向こうの渡浮根港(若郷漁港)


車で波止先端まで入れる

風は…大丈夫だ

車を止めた場所
で足元サビキをリスタート

ここでもアタリはあるが釣れない

そうこうしてると軽トラでおじいちゃん登場

いかにも地元民というタックルでカゴ釣りをしだした

「昨日ここでこんなメジナを2匹上げた」と50cm近く両手を広げる

おじいちゃんの投入してるところは竿一本分先

聞くとタナも竿一本分

ここはグレポイントか…なんて考えていたら、竿がググッと入った!

エエ引きやないか!

今度こそいただきや!

綺麗な海から顔を出したのは綺麗なタカノハダイ
久々のタカノハにシャッター押しまくり


次に釣れたのはオセン

そして、またもエエ引きでグレ登場

以降確実に釣れる
ただ小グレやオセンばかり…

空がにわかに暗くなり
雨がパラリと降った後アタリが消えた

そして、いつの間にかおじいちゃんも消えた



沖向き場所
【B】を変えると再びアタリ連発

ここでもオセンが多いが、こんなんや(オジサン)


こんなんも釣れる(イガミ)


オセンのダブルを釣った後、シャープな引きで糸を鳴らす謎の魚が来た

なんやなんや?

おっと波止の角を曲がったがな

白っぽい魚体(イスズミ?)を確認した瞬間ハリ外れ

まぁ仕方ない

そしてである。 一度回収して白くなったオキアミをそのまま足元に落とし込んだ

ググ-ッ

ごく普通のアタリやけど少々重い

ゆっくりリースを巻くと海面に色鮮やかなイガミが現れた

赤に青と綺麗なことはもちろんコイツが少々デカイ

軽く40cmオーバーあるがな!

タモは最初のポイント
【A】に置いたまま

バスロッドのサビキ仕掛けやけど、こりゃ抜きあげなしゃあない

空気を吸わせ、短いロッドでイガミをぶり上げる

海面から身体半分出たところでプッチーン

そりゃ無理やわー



それからはフカセやカゴ釣りにトライ

波に漂うウキが紺碧の海に沈んで行くのは気持ちがよい

いずれの釣り方でもグレが釣れる

ただデカイイガミを逃した無念さでさほど嬉しくはない

当分 あの歯を剥いたイガミの顔が頭から消えないやろな…

アタリが途絶えた昼過ぎ 街に戻り、釣具店でアミエビ&オキアミを追加
スーパーで夜の投げ釣り用にサンマとエビも買った

宿の弁当を持って再び若郷漁港へ


波止にもたれ、弁当を食べるってやっぱサイコー!

さぁ、メシも食った 
バスロッドから3号磯竿にチェンジして調子の良かった足元サビキの再開だ

その一投目 落込み途中に強烈なアタリ!
一気に底に突っ込むパワーファイター!

磯モノ…? 新島波止で実績多し
竿がU字に曲がりリールが負けない

そうこうしているうちに 根掛かり ――

2つしか持って来なかったサビキカゴを失い万事休す
そもそもサビキ仕掛けは生餌釣りの為に持ってきただけ

ナメたらアカン新島のサビキ釣り 油断大敵!

釣具屋に戻りサビキカゴを求めるが売ってません



仕方ない 釣りはしばし中断 

時間は早いが、ここいらで夕陽の美しい温泉に行こう!

事前情報で評価の高い無料の露天風呂
ちゃんと海パン持って来た(混浴なのでフルチンはダメ)

石で組まれた浴槽が4~6つ


温泉にどっぷり顎まで身を沈め「プッファ~」
頭を上げると大きな空 流れる雲をずっと見ていた

いつ以来だろう
こんな時間を送るのは…

「やっぱり生きてなあかん」
そんな事、不意に考えたりする
私は紛れもなくここにいる


さて、温泉にも浸かってリフレッシュできた

日も暮れた サンマの出番がやってきた

ウミガメと遭遇した羽伏浦港へ夜釣りに向かおう


空は満点の星
車のヘッドライトで仕掛けを作り、サンマをおろす

暗闇にナイフを裸で転がしているのは危ない
目立つように車止め縁石上にナイフを置いた

今日は魚の鱗を剥がしたり、腹を裂いたり、このナイフ大活躍

そんなナイフが…ない
置いた場所にない…なんでや?

そう、昨日のバッカンに続き、風がナイフを海へと流していった

いろんな所へ一緒に行って、多くの魚の血を吸ってきた相棒のナイフ

30年来の長い付き合いやったのに…

長い付き合いついでに、今日は結婚記念日でおました

そんな日に遠征して釣り?

釣りと私とどっちが大切なのよ

「もちろんお前やがな」と真顔で応える私を口だけ亭主と彼女は当然知っている(笑)



さて、ナイフを失い車内で風を避け、テンション下げ下げでケミホタルを見ていたら、右の竿が動いたような…
ただ風が強いからどうやろう…

ちょっと見てくるかと車のドアを開いた時「ガシャーン」

右の竿が倒れ波止の上を滑った

急ぎ竿をつかみ大きくフッキング

がっつり乗っている


クッションゴムにハリス6号
無理は出来ない

ポンピングで寄せてくる
ただただ重い
走らない

こりゃアイツやなと分かった時、アイツが顔を出した

やっぱりエイや
ただアカエイじゃないぞ

こりゃ引き上げてカメラに収めなあかんやろ

直径60cmのタモに入らない
何度もチャレンジしてやっとネットイン

こんどは波止上に引き揚げれない

重過ぎる 異常や

力一杯タモ柄を引き上げ、なんとか確保

さて、ネットからどうしてコイツを出す?

ゼェゼェ肩で息する呼吸を整え、ペンチを取り出した

尾っぽの箸みたいなごっつい毒針を折る

手袋をして鰓の部分に指を突っ込みタモから引きずり出した

手袋はネチョネチョ

直径は70cm位だがその体高の高いこと高いこと


口元は引き揚げる際、岸で傷を負わせてしまったようだが、そもそも貴方が重過ぎるからやで ゴメンね

スマホは充電が切れそうでカメラが起動しない

ついでにここは東京都なのに圏外

ありゃ?!
嫁さんからLINE&電話があったみたい

今日は結婚記念日やちゅうねん

ベトベトのエイとじゃれあってる場合ではない
早よ電話せな――

ちゃちゃと写真を撮り、竿を畳んだ

後でイズヒメエイと確認

これにてフィッシングストップ
何しろナイフがなけりゃ餌のサンマが捌けない

それにまたエイが釣れるのも堪忍や

早く宿に帰ってスマホ充電して電話しなくっちゃ

何度も言う、今日は結婚記念日


3日目につづく