◆秋田県 小坂町・十和田湖

令和4年10月7日 

高級温泉旅館・岡部荘を出立して、6日昼前に十和田湖に着いた

湖畔の洒落たカフェでコーヒーブレイクした後、ポイントの下見に向かう

第一候補にしていた孵化場の桟橋に立ち寄ると…

ヒメマス接岸の遅れで、釣り禁止の立て看板
さらに駐車場は工事中


次に向かったポイントは鉛山インレット

釣り人が一人、スプーンを投げている

「こんにちは、どうですか?」

「朝の6時からして、これだけです」と、指差す石組み生け簀にヒメマスが5匹!!

ギョギョギョ!!

群れが回遊して来た時、ほとんどスレで釣れたとのこと

こりゃ良きポイントやないか!

「頑張って下さい」と声をかけ、次に十和田ホテル下を見に行った

森の小径を抜けるとT字桟橋がある

駐車場には4台程の車があったのに人が居ない

あっ、湖畔の遊歩道に5〜6人の釣り人が集まっている

おじいちゃんにあいさつして状況を聞くと、ボチボチらしい

そのおじいちゃんは誘導のウキ釣りで、エサは赤イカ短冊、タナは1m

伏流水が湖底から湧いて、あの木の下だけ釣れると指を刺す

仲間の名人は7匹位釣っていて、私はハゼとアカハライモリだけと標準語に近い東北弁?で語ってくれた

もう1箇所、大川岱桟橋を覗きに行ったら、足元に赤いヒメマスが泳いでいる  

コーフン!!!!!!!

今年はイケるんちゃうか !?

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【下見の結果】

激な寒気なのか、今日から突如 接岸しだした

② 釣り人が少ないのは、ここ2年釣果が悪く、今日の今日の事で情報が拡散していない

③ ウキ釣りはエサが赤イカで合致してるが、誘導仕掛けの準備はしていない
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てなことで、急きょGoogle Mapで一番近くの釣具店を検索

昼飯を兼ねて50kmも離れた秋田県大館市に向った
(50km…遠征釣行あるある)

町の小さな釣具店で、ウキ止め糸や赤いスプーン、念の為にぶどう虫も購入し今宵の宿に

その宿の凄いコト!!!!!!!!

前日の高級温泉旅館から一挙ユースホステルスタイル(驚愕の1泊2000円!)

あとで知るが外国人バックパッカー向けの宿やったみたい

ただ、テント張るよりはましですわ



日没まで1時間あるんで、ためし釣りしよう

インレットでは釣り人が3人

一人は延べ竿で6匹釣って納竿するところ

ただ、残った二人が流れ込みの左右に陣取ってるので、ここはキャンセル

結局、場所は何処やったか忘れたけど30分だけ、赤いルアーとスプーンを投げてみた

もちろん 釣れたのは木の枝だけ

そんな下見フィッシングを済まし、安宿でおやすみんみん




翌朝7日 4時50分起床

薄明るくなった湖畔道路を走り鉛山インレットに

誰も居ないと思っていたのに先行者あり

ここのポイントは狭い 予定通りホテル下ポイントへ

車は2台停まっているけど、ここはインレットより釣りスペースはある ここで賭けよう

秋色に変わりつつある森に嫁さんとわけ入り、下見していたポイントに

目的の木の下には先行者が一人

ゲッ!!  のっけから釣った!

朝のあいさつをしての様子を伺うと、なんと既に10匹以上釣っている

イクラ狙いでオスは全てリリースしてやから恐ろしい!

夜中の12時に現着して、夜から釣っていてる(夜釣り禁止やのに)

私が大阪から観光に来て、十和田湖でヒメマスを釣りたい

一匹で良いので顔を拝みたいと言うと

自分の仕掛けを手にとってタナからエサまで教えてくれ、ぶどう虫との合わせ掛けという秘技も伝授

「ぶどう虫が5匹入ってますので使って下さい」と優しいお言葉

持ってます とは言いづらく、有難く頂戴しました

それからも師匠の釣ること釣ること

47都道府県釣り旅&魚種数狙いの釣りスタイルになってから、見知らぬ地で未知なる魚種を釣るんはホンマ難しい

何しろ地元の釣り人が隣でガンガン釣る

でもそれは織り込み済み

だから焦りはない ない? ことは無いか…

いずれオレにも釣れると言い聞かすが、ウキがピョコピョコして釣れたのはヌマチチブが2匹のみ


眼の前で、ウキの横でジャンプするヒメマスちゃん

ただ一度、そのピョコピョコしてたウキが20cm程沈み走った

まともな魚信が手のひらに伝わって来た

これは本命や!と思った瞬間ハズレた

あかん・あかん・あかん

どーすんねん?

もっと待たなあかんのんか…

もっと送り込ませなあかんのんか…

ヒメマスの感触が手に残りドキドキドキ

そうそう、このドキドキ感

この歳になってドキドキする事ってあるか?

普通は無いよな

あったら、そりゃ動悸ですな




その後、仕掛けが絡むようになる

ヒメマス釣りに使えそうなイワナ針6号を結んだ市販の0.6号ハリスが3本あったが

最初にサルカンに結ぶ時に下に落とし消息不明

今使ってるんがボツると仕掛けは1つしかあらへん

トラブル厳禁だ

さらに悪いことに、いつ巻いたか覚えていない古いラインがパーマになってリールに絡まる,絡まる

ウキの大きさを変えたり、ガン玉を追加したり、あれやこれや
     
     
なんとか良くなったが……

打てども打てども反応ナシ 名人たちも沈黙

釣れる雰囲気が無くなった

ルアーでもやってみるかと浮気

もちろん、そんな気まぐれ釣り師に魚が反応してくれるわけない

刻々と時間が過ぎてゆく



10時頃、車に忘れた偏光グラスを付け、湖中を確認すると眼の前に数匹のヒメマスがウヨウヨ

そいつの目の前に仕掛けを落としてみるが完全無視

ただヒメマスが回ってきたことに間違いない

隣の師匠がズボズボ釣り上げだした!

オレと師匠たちとどー違うんや!

ずっと水中に立ち、釣り続けること5時間

別のポイントから回ってきた釣り人が 木の下ポイントにやって来た


こりゃアカンな…

ほぼあきらめ、ウキから目を離し師匠と雑談し始めた

なにげにウキに目を戻すと、湖中に10cm程沈んでゆっくり動いてるぞ

ん?? こりゃ本命やぞ!

1度目の空振りの教訓

ここは我慢・我慢

どんだけ待ったやろか、ロッドを左にグワ~ンと煽った

しっかりした重みがのった!

Abuロッドが魚信を吸収し「つノ字」に曲がる

来たっ!

間違いない!


これこれ、これやがな!

足元に現れたたのは待望の
ヒメマス

それも背っぱりの
赤いオス!!!

0.6号ハリス

最後にバレるなよと祈りながらのランディング

後退りしながら冷静に砂地へ引きずり上げた

よっしゃー!!!


すぐさま師匠が駆け寄ってくれ「釣れましたね!おめでとうございます!」と喜んでくれる

私が逆のパターンでも同じように一緒になって喜んであげるやろうな

パシャパシャ写真を撮りまくる




念願のヒメマスを手にすることが出来た




旅はまだまだ続く

ちょっとでも先に進んでおきたい

そそくさ納竿しだすと、事情を知らない師匠友人が、もう帰るの?と怪訝な表情

旅の途中のヒメマス釣り 1匹釣れたら充分

と言うと「お二人でしたら、もう1匹どうぞ」

「キープ予定じゃなかったけど、写真撮りまくってるとリリース出来ひん状態になったんで、持ち帰ります」と答える

納竿中も、師匠2人はガンガン釣りまくり

お礼の言葉をかけて11時、現場を去る

その1尾のヒメマスちゃん

どーする?

食べる?

居酒屋の大将に進呈する?

その夜、ふと思いついた!

剥製にしよう!

それって最高の旅の想い出になるやん!



◆奥入瀬




◆青森




◆恐山




◆大間


と、快晴の中、旅を続け

車中で剥製工房に連絡し、急きょヤマト冷凍便で八戸から山梨にヒメマスを送った

左を正面に包んだつもりだが、バスタオルとゴミ袋でグルグル巻いていると、上下左右が分からんようになってもた

尾びれ折れてないやろか?

綺麗に、ちゃんと届くやろうか…



翌々日フィッシュアートナカゴミから連絡が入った

ヒメマスの状態が気掛かりだったが「いい感じで出来る状態です」とのうれしい返答

来年5月の完成予定

うう〜ん たのしみ

今回の東北釣り旅で一番会いたかったヒメマスに逢えた事にただただ感激


→ つづく