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 OITA

十七の春、東京の女の子とこの海を見ていた

彼女も一人旅、僕も初めての一人旅

宿泊先で煙草を吹かせギターを弾いていると、煙草を咥えた彼女が近づいて来た

同い年の大阪の男子高生と東京の女子高生
意気投合するのに時間はかからない

翌日僕たちは夕刻の海へ向かった

でも大きなバイパスが行く手を阻む
迂回路はない…

二人は車が猛スピードで行き交う危険な道を手を繋いで渡った


そして今、国東半島日出町に釣りに来ている

車からポイントが見える―― が道がわからない

行くことを簡単に諦めた私は大人になっていた
 
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