香港ソウルオフの旅5/7 ソウル編
(1995/8/17)
【ソウルへ・・・】
さて今日は香港よりソウルへと旅立つ日である。朝、支度を済ませて部屋を出る。宿のおばちゃんがいたので1泊分の宿代を払う。あぁ、これで香港ともしばし(?)のお別
れだ。もう空港に向かわないといけないんだけど、あーろんこさんをどうしよう?同じ宿に泊まっているわけで、ほんの数歩先に部屋のドアーがあるわけなんだけどね。ゲストハウスは造りがこじんまりとしているのだ。起こすのも何だしなーと思っていると、がちゃっとドアーが開いて、あーろんこさんが出てきた。
宿のおばちゃんに挨拶して、ビルを出た。カイタック空港行きのエアバスA3の乗り場まで黒いスッチャンバックをゴロゴロ引きずりながら歩いていく。バス停でしばらく待っているとバスが現れた。またオフで会いましょうと約束してあーろんこさんと別
れた。
さて、カイタック空港について、白ベコ&あらへ夫婦との約束の場所であるキャセイパシフィック航空(以下CX)のチェックインカウンターへ向かう。実は同じ便でソウルへ向かうのだ。しかし、彼らはビジネスクラスで僕はエコノミー。(^^;便ごとに別
れていると思っていたけど、予想に反してカウンターはクラス毎に別れているだけだった。空いていたのでとりあえずチェックインを済ませる。ベコ夫婦はビジネスなので別
のカウンターに行ってるんだろうなーと思って探すが見つからない。遅れているのだろうか?
約束時間をかなりすぎても来ないので、これはなんかあったかな?と思って歩き回っているとやっと見つかった。
合流して免税店などを冷やかしてから中に入り、出国する。ベコ夫婦はビジネスなのでラウンジに向かう。一緒にどう?と誘われたけど断って空港内をぶらつくことにした。それに実はもう一つ目的があったのだ。絵はがきを何枚か書いたんだけど、出す暇がなくてここまで持ってきてしまったのだ。出国したあとに出す所
あるんだろうか?
免税店のおばさんに聞くとポストがあるとのことだ。いわれた場所に行くと、飛行機に乗り込む通
路横の壁に切手の自動販売機とポストがあった。自動販売機の案内(英語)に従って切手を買い投函した。
さて飛行機に乗り込んでみると・・・・そこはもう既に韓国であった。見るからに韓国人という出で立ちのアジョシやアジュマたち。またガキどもが飛行機内を走り回って、写
真を撮ったりしている。「オラゴ!」とか「アンジャラー!」とかガキが怒鳴られていたりして、あぁ、韓国に来たなぁと(まだカイタック空港を飛び立っていないのに)そう思ってしまうのだ。かわいそうなのはCXのすっちゃんたちだ。何年か前の日本人団体客もこんなんだったんだろうな。
【ソウル金浦空港到着】
さて飛行機は飛び立ち順調に飛行し、金浦空港に着いた。すんなり入国し外に出る。白ベコ&あらへさんとは無事合流する。さてここで「いすかんだ〜りあ」(以下、いすさんと略します)さんと待ち合わせだ。でも、まだ来ていないようだ。飛行機の時間から考えると、もう少しかかるかも知れない。
時間があるのでペンパルのキョン(景)さんに電話することにした。現在、ア*アナ航空にお勤めのアガシ(お嬢さん)だ。手紙をやりとりしただけで、まだ会ったことがない。どんな人なのだろうか?今、KOEXのオフィスにいるらしい。ただ問題はキョンさんが日本語が全然ダメ、英語もダメなので、会話は全部韓国語でやらないといけないのだ。ま、僕はまだいいとして、ベコさんといすさんはどうなのだろう?会話になるのだろうか? あらへさんは少し喋れるけど。
電話でしてみると(いたいた!)、今仕事中で6時に仕事が終わるのでKOEXまで来て欲しいとのことだった。リムジンバスがあるからそれがいいとのことだ。電話を切って帰ると、いすさんが現れて4人が無事合流できた。
僕は無理を言ってそこで3人とは別れて1人でKOEXに向かうことにした。白ベコ&あらへさん、いすさん、ごめんね!とりあえず先にチェックインしてもらうのだ。白ベコ&あらへ夫婦はプラザホテルで、いすさんと僕はもちろんのことシチョン(市庁)とチョンノ(鐘路)の間にあるヨグアン(旅館)の「カンファジャンヨグアン」(光化荘旅館)だ。
さ、KOEXへゴーゴー!
★景福京(キョンボックン)
市内中心部→ ●カンファジャン ★東大門(トンデムン)
\_
\__ ★南大門(ナンデムン)
\_ 〜 \_ ★ ★ソウルタワー ___
\__ 〜\___ ソウル駅 _/〜 〜\__
\___ \ ★梨泰院 _/ 〜___〜| \__
| \〜 \ _/ 〜_/ \|_〜 \
|ヨイド\〜 \_ _/〜 _/ \__〜
\__/\_〜 \___/〜 _/ \
←金浦空港 \_ 漢 江 _/ ●
はこっちの方向 \___/ カンナム KOEX
【KOEXへ移動】
さてKOEX行きのリムジンバスは何処から出ているのだろう?インフォメーションで聞いてみると建物を出たところにバス停があるらしい。こちらが少し朝鮮(韓国)語がわかると知るや、マシンガンのように早口で喋られてしまった。だいたいの場所とバス停番号が分かったので、細かいことはまあいいか。聞き取りは難しい。(^^;
さてバス停に向かうと既にバスが来ていた。バスに近づくとおじさんが現れて「オディガヨ」(何処行きなさる?)と聞くので「KOEXエヨ」と答えると、おじさんはいきなり僕の黒いすっちゃんカバンを奪い、シールを貼ってバスの下のトランクに放り込んだ。そして半券をくれる。ううむ、知り合いの話だと市内行きのリムジンはタグをくれないとのことだったが、KOEX行きはきっちりしているのだ。
ソウルは4回目になるんだけど、実はリムジンバスに乗るのは初めてなのだ。2回はセマウル号で釜山からソウル入りしたし、残りは市内バスを利用していたからだ。なかなか綺麗なバスなのだ。(その後、金浦空港よりソウル市内に抜ける地下鉄5号線が開通
。この当時はなかった)
さて程なくバスは出発した。客がほとんどいなかったのでどうしたんだろうと思っていたら、ドメスティックのターミナルで客がどかどか乗り込んできて満員になった。バスは快調に空港を出ていったのだが漢江が見えてくる辺りで、案の定渋滞につかまってしまう。ま、これは仕方ない。市内中心部に向かうにつれ、益々ひどくなってきた。年々ひどくなっているのではないだろうか?地下鉄工事の影響もあるのだろう。早く何とかして欲しいものだ。
さてバスはカンナム区に入って行き、直に大きな建物の中に吸い込まれていった。どうやらここがKOEXらしい。バスを降りると待合い室のような所に出た。さてと・・・・とりあえずキョンさんに電話しよう。そう思った僕は待合い室の公衆電話の受話器を取った。電話をしてみると男の人が出てきた。キョンさんをお願いしますと告げると
「アンゲシンデヨ〜」(おられません)と言われてしまった。
「えっ?」っと聞き返すと
「チャリエ オプソヨ」(席におりません)ときたもんだ。
「クレヨ〜」(そうですか)と言って電話を切った。
ううむ、何処行ってるんやろか?仕方ない、待つとしよう。
テレビでは洋画が流れていた。それをぼーっと見ていたらいきなり朝鮮(韓国)語で話しかけられてしまった。
「ここは出発の待合い所ですか?」といった内容だったんだけど、
「良く分からないんだけど」などと答えていたら、
「あなた日本の方ですか?」と聞かれてしまった。
「ええ、まぁ」と答えると、いきなり何か勧誘を始めたのだ。
どうもあの桜田淳子、山崎浩子、テッシーなどで有名な某**教会の関係者のようなのだ。私はいきなり朝鮮(韓国)語が分からない人になって、?????という感じで困った感じにしていると、今度は朝鮮(韓国)語が英語に切り替わっていろいろ話かけて来たが良く分からないふりをしていたらあきらめて去って行ってしまった。この数週間あとにソウルで合同結婚式が執り行われたわけである。
さて3回目の電話でやっとキョンさんが捕まって、今いる場所で待ち合わせすることになった。しばらく待っていると後ろから声をかけられた。見るとアシアナ航空の制服を着た二人のアガシが立っていた。キョンさんとそのお友達だった。挨拶をして少し話をする。なかなか、かわいいのだ。二人とも
ものすごくスリムで・・・う〜む、ここまでとはねー。
着替えをしてから改めて飯を食いに出かけることにした。
【KOEXにて】
とりあえずピビンバプでも食べようと言うことになり食堂に行く。メンバーはキョンさんとその同僚、それに日本語が少し喋れる先輩(キョンさんがオンニ〜と呼んでいたので多分(^^;)、そして僕の女3人に男1人の計4人だ。なかなかいい案配だ。店に入ってピビンバプを食べ始めたのだが、キョンさんは何故か肉を横に分けて食べ始めたのだ。聞いてみると
「コギ(肉)が駄目なんです〜」
ということだ。韓国人でも肉が食べられない人がいるのだ。ま、そりゃそうかも知れないけど。
食事をした後、コーヒーを飲みに喫茶店へ行く。そこでいろいろと面白い話が出来た。とりあえず年齢を聞かれ(僕は当時30歳)、その後に大学を出たのか? 仕事は何をしているのか? 恋人はいるのか?と根ほり葉ほりだった。(手紙に書いてたと思うんだけど。(^^;)それにしてもやはり学歴信仰は高いらしい。韓国の受験戦争のすさまじさが日本以上であるのは有名な話だ。
それから会社に入って8年になるという話をしたら、
「じゃ、役職は?」と聞かれたので
「ないです」と答えると随分驚かれた。
韓国では8年も働いて役職なしなんて考えられないらしい。因みにうちの会社では10年目(32〜33歳)で主任、40歳過ぎで課長、部長は50代だと言う話をしたらとても信じられないとのことだ。韓国の場合はアメリカと同じで転職するケースが多く、終身雇用制を前提とした日本の制度は理解しにくいみたいだ。しかしこれについては日本の方が特殊なのだから仕方ない。
そのほかに日本の軍備問題も聞かれて、
「日本は憲法で戦争が出来ないことになっている」と言うと、
「じゃ、日本が攻められたら誰が守りますか?」と聞かれたので
「それは自衛隊だ」と答えた。
そこからの自衛隊の説明が実に困難を究めた。基本的に自衛隊の仕組みを分かっていないらしい。あたりまえだろうけど。漠然と軍隊は持っているぐらいの認識なのだ。韓国の場合は徴兵制をとっているのはもう周知の事実だが、その国の人に
「会社に就職するように自衛隊を選択する」
というのを何と説明したらいいのか?(^^; その説明をすると、とても驚いていた。軍隊は徴兵ってのが常識なんだよね。その辺お互い良く知らない。もっと草の根レベルの交流が必要だと痛感しました。
それから2日後にキョンさんが色々案内してくれるとのことで、何処に行きたいのか?と聞かれてしまった。何処? 僕にしてもベコさん達にしても、もう韓国は何回も来ているので特に行きたいところとかはなかったのだ。主な観光地は行き尽くしたし。で、みんなで行って楽しいところならロッテワールドかなーなんて思ったりしていた。そんな中で、今回の旅で予定していた天安(チョナン)郊外にある「独立紀念館」行きをちらっと漏らしたら、
「それにしよう!」
と言うことになって決まってしまった。韓国人アガシと「独立紀念館」とはなんてディープなんだ、なんて思ったけどホントにいいのだろうか? 何と言っても今年は「光復50周年」なのだ。つまり独立50周年てことね。
「僕らが行ってかまないの?」
と聞いてみたけど「ケンチャナヨ!」と明快に答えたので決めた。
さてその日の待ち合わせ場所を確認して解散とになった。日本語の喋れるオンニと僕が同じ方向なので、2人して地下鉄に乗り込む。
「僕は韓国語の o と eo が難しい」と言うと
「私も濁音が苦手です」と言っていた。
「あなたは激音と平音の区別をつける必要があります」と指摘まで受けて
しまった。う、痛いところを。(^^;
【ヨグアン(旅館)へ戻る】
地下鉄市庁駅から黒いスッちゃんカバンをゴロゴロ引きながら、今日の宿であるカンファジャンヨグアン(光化荘旅館、以下カンファジャン)に向かう。カンファジャンには先にいすさんがチェックインしているはずだ。
話を進める前にとりあえずカンファジャンの解説をしておくことにしよう。カンファジャンはソウルのど真ん中、イ・スンシン将軍の像がある世宗路から見て教保文庫の建物と反対の方向にある。都会のヨグアンの典型で、見た目は普通
のビル。階段を上がって2階以上が宿になっている。部屋はオンドル部屋と洋室とがある。2万ウォン程度で1泊出来る。おばちゃんは韓国語しか喋らない。(と思う。日本語で話したことはない)おじさんは日本語を少し喋るらしいが僕は聞いたことない。(^^; あっ、それから「ヨグアン=旅館」ね。「ジャンヨグアン=荘旅館」はヨグアンの少し高級な奴。でもホテルにはほど遠い内容ですな。僕はここをソウルの定宿にしています。
さて宿に着いてみるとまだ工事中のようだった。1カ月ほど前にもここに宿泊したんだけど、その時から続いている。かなり大規模な改装のようだ。ビルの階段を上がると少しぎょっとなる。何と壁がピンク色に塗られているではないか。ラブホテル化でもたくらんでいるのだろうか?わからない。宿のおばちゃんがいたので、
「日本人が宿泊してる?」と聞くと
「あぁ、あの巨漢か?」と言って部屋番号を教えてくれた。
部屋に入ると、既に「いすさん」がくつろいでいた。うまくチェックイン出来ていたみたいで、ひとまず安心する。いすさんと話すのは久しぶりだ。話をしていく中で明日の予定の話になった。すると「実は明日朝早く集合して天安に行くことにしているんですよ」と言うではないか。うげっ、あさってにキョンさんと行く約束したのになー、どないしよと思ったが仕方ない。正直に言うと
「じゃ、明日は別の場所にしましょう」ということになった。
ほっとした。
香港ソウルオフの旅
1995年8月13日 〜 19日 |
第1話
香港 |
8月13日(日) 香港入国から宿探し 友達のホテルを訪ねる |
第2話
香港 |
8月14日(月) HISを探して、雨の香港徘徊 夕食はグース |
第3話
香港 |
8月15日(火) KCR(九廣鐵路)でシンセンへ |
第4話
香港 |
8月16日(水) 朝粥のあと黄大仙、鉄路博物館、大埔、元朗訪問 |
第5話
韓国 |
8月17日(木) 韓国・ソウルへ移動 旅館探し |
>>第6話
韓国 |
8月18日(金) 鉄道博物館、水原カルビ、蚕室野球場で野球観戦 |
第7話
韓国 |
8月19日(土) 朝風呂アカスリのあと、天安の独立紀念館へ |
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