暴力カラオケで10万円 【韓国・ソウル旅行記】

1996年 大晦日

 韓国訪問が10回近くになろうとしていた頃の話で、韓国語もそこそこ出来るようになり、少し気のゆるみかけた頃だった。

 僕は例によってペンパルに会いにソウルに来ていた。何の不便も感じることもなく入国し、いつもの旅館(光化荘旅館)に宿泊していた。そこに日本人の知り合いがUA(ユナイテッド航空)乗り継ぎでソウルに立ち寄る事になったため、僕がソウルの街を案内することになった。いわゆる「現地集合現地解散型」のミニオフ(ミニ集会)だ。その知り合いというのは、パソコン通信のニフティサーブで知り合った男性で、ハンドル名「ろん」さん(写真)だ。年齢的には僕より10才ほど上なのだが、同じ関西地方在住ということもあって、今まで何度も宴会をした仲だった。日本だけではなく、香港や台湾でも部屋をシェアしたことがある。

 ろんさんは韓国に来るのが初めてだそうで、代表的な料理である「サムゲタン」「カルビ」「プルコギ」などを食べたがっていた。その事件は、夜の「ミョンドン」(明洞)で焼き肉屋を探しているときにおこった。

 よく誤解されているのだが、韓国では日本人が考える「焼き肉屋」というものは本来存在しない。日本にたくさんある「焼き肉屋」は在日韓国・朝鮮人の創作だという説が有力だ。では、韓国には何があるのかというと、「カルビ屋」であるとか「プルコギ屋」になるのだ。大抵は焼かれたお肉が皿の上に乗ってやってくる。もちろん鉄板などで自分で焼く店もあるようだが、これはもしかしたら逆輸入かも知れない。


 ところで、僕は今まであまりカルビ屋には行ったことがなかったので、ろんさんに「焼き肉が食べたい」といわれたとき、はたと困ってしまった。どこにどんな店があるのか詳しく知らなかったからだ。韓国には焼き肉より安くて美味しい料理が山ほどあるから、特に行く必要性を感じていなかったのだ。

 「カルビ屋といえば、ミョンドンのチャンスカルビ(長壽カルビ)かなぁ」などと考えながらそのチャンスカルビの前に行ってみると、時間が遅かったこともあって閉まっていた。ミョンドンではこれ以外にカルビ屋を知らなかったので、途方に暮れてしまった。ガイドブックなども持ってこなかったし、そもそも時間が遅いので見つけたとしてもやっていない可能性が高いのだ。

 ろんさんにそんな説明をして今日の所はあきらめようとしていたら、若い高校生か大学生風の二人組の男がこちらに近づいてきた。そして「どうしたんですか?」と片言の日本語で話しかけてきたのだ。韓国人の男性二人組だった。僕らは「焼き肉を食べようとチャンスカルビの前まで来てみたのだが、夜遅くて閉店していた。他に店も知らないので帰ろうと思っている」とその二人に話すと、彼らは「じゃ、僕らが知っている店が2、3軒あるから案内しますよ」と言ってくれたのだ。これはありがたい。

 僕らはその二人について行くことにした。そのうち僕が韓国語をしゃべることが出来ると知ると、さらに喜んで話しかけてきた。そうして3軒目を訪ねて、やっと開いている店を発見した。ミョンドンの南、地下鉄の通りを挟んだ向かい側の2階にある店だった。店の雰囲気は良く、いわゆる鉄板で焼く焼肉店だった。値段も手頃だし、いい店のようだ。


【焼き肉屋へ】

 二人組の男たちはここで帰るのかと思っていたのだが、「せっかく知り合ったのだからもうちょっとつきあってもいいですか?」と言い出した。食事は済んでいるので、おしゃべりだけしたいというのだ。僕らとしても依存はなく、そのまま四人でテーブルを囲むことになった。

 僕らが肉を食べている間、その二人はジュースなどを飲みながら日本の音楽の話などを実に楽しそうにしゃべっていた。日本の歌手やグループ名などについても、よく知っていて、日本の大衆文化についても詳しいようだった。そのうち一人が「電話をしてくる」と言って席を立った。そしてしばらくするとまた戻ってきて、再び4人で話をした。

 肉を十分に食べて、お腹もいっぱいになったのでヨグアン(旅館)に帰ることにした。十分に満足できる店だった。いい店を紹介してもらったようだ。親切な二人組に感謝の気持ちでいっぱいになった。韓国人は親切だと聞いていたが、本当だった。そして店を出るときに店の横にあったコーヒーを彼らが買ってくれる。それを飲みながら店の階段を下りていると、その二人組が「せっかくですからカラオケに行きませんか? 日本の歌もあるところを知っていますから」と誘ってきたのだ。ろんさんはあんまり乗り気ではなかったのだが、ことわるのも失礼な感じがしたし、何となく一緒に行くことになってしまった。


【そしてカラオケへ】

 二人組について再びミョンドンの中心街に戻り、ミョンドン聖堂の方の通りを歩いていくと、不意にそのうちの一人が地下の店に入って行った。そしてしばらくしてから戻ってきて、「ビールだけなら*****ウォンでいけると言うことですが、入りませんか?」と誘ってきた。僕らは誘われるままにその店に入った。

 店に入ると個室がいくつかあって、日本のカラオケボックスのような雰囲気だった。そしてその個室の一つに入る。中もカラオケボックスのような雰囲気だった。

 しかし、しばらくするとなんと「女性が二人」入ってきたのだった。本当ならここで「おかしい」と思うべきだったのだが、韓国人も一緒にいるし騒ぐ様子もないので、こんなものなのかなぁと思いつつ、そのまま歌を歌うことになった。そして歌を歌おうとしていたとき、女性の一人がぼそっと「私たちも飲んでいいでしょうか・・・ウィスキーがいいのですが・・・」と言ったのだ。僕は「ううん・・・まぁ・・」とか言ったのだが、歌い終わって気が付いてみるとウィスキーが何本も並べられていた。そしてなんと、あっという間に数本が空になっていたのだ。(飲んだふりをして空にしたのだろう)ここでようやく事態の深刻さを痛感したのだが、もう既に遅かった。請求書には日本円で「10万円」相当の金額が書かれていた。

 説明を求めると、その女性たちは一挙に態度が変わり、我々を罵り始めた。そして腕っ節の強そうなおじさんが現れる。僕らは完全にパターンにはまってしまったようだ。そのおじさんは、「韓国ではウィスキーは高級品で高いのだ。飲んだ代金を払わないと言う話が、どうして通用するんだ」とメニューを見せながら強い態度で我々に迫ってきた。そして「君は韓国語が分かるんだろう。なんとか言ったらどうなんだ」とさらに強く迫ってきたのだ。僕らは個室にいる関係で、逃れようがなかった。どっちにしてもそんな金持ってなかったし、これはなんとか値切って被害を最小限にして帰るしかないようだった。韓国人の二人組もすっかりうつむいてしまい、そのうち「ウィスキーを飲んでもいいと言ったのは、あなたです。あなたにも責任があります」と言いだしたのだ。

 そのうち韓国人の二人組が数万ウォンずつ出した。仕方ないのでろんさんと僕で7万円ほど支払う羽目になってしまった。結局、無い金は払えないと言うことでいくらかはまけてもらった形だ。

 金を払うと階段に案内される。出口は既にシャッターがおろされていて、食い逃げもできないようだった。シャッターの鍵を開けてもらい、ようやく外に出る。僕らはぼーっとしたまま、深夜のミョンドンを歩いていたのだった。そして韓国人の二人組は、「じゃ、僕らはこの辺で・・・」と言いながら帰って行ってしまった。

 しばらく歩いていて、ふと我に返った。結局、あの二人組もぐるだったのだ。すっかり騙されたわけだ。しかし、あとになって冷静に考えると、何度もおかしいと思うチャンスがあった。ただその時そう思わなかったのは、

 1.その韓国人二人組がとても親切だった。

 2.まさか騙されているとは思わなかった。

 3.焼酎をたくさん飲んで、気が大きくなっていた。

 4.韓国人に騙されているというのを信じたくなかった。

の4点に集約されると思う。いずれにしても、気のゆるみが原因だったわけだ。いい勉強をしたと思わないと気がおさまらなかった。

 ついでに、今回二人組、その他の行動で気が付いたポイントを上げると、

 1.焼肉店で一人が電話をしに席を外したが、恐らく「ぼったくりの店」に電話を入れていたのだと考えられる。

 2.焼肉店を出るときコーヒーをおごってくれたのは、カラオケ行きをことわりにくくするためだと考えられる。

 3.カラオケに入るとき、「ビールなら*****ウォン」と念を押している。

 4.カラオケ店でビール以外を頼むに当たって、女性は日本人に確認を取っている。

 5.ぼったくりメニューが、最後になって提示される。

ということだ。徐々に追いつめているのがわかる。

 その日はおとなしく帰るほかなかった。しかし泣き寝入りするわけにもいかなかった。第二ラウンドは次の日の朝から切って落とされたのだ。

 

 


2日目【現場の確認から・・・】

 次の日、ろんさんは旅立ってしまった。悪いことをしてしまって、僕は朝から気分が悪かった。しかし、ろんさんは優しい人なので、僕を非難するようなこともなく旅立っていってしまった。さて、このまま帰るわけには行かない。とにかくじっくり対策を考えることにした。

 まずは「ぼったくりの店」を特定しなくてはならない。ミョンドンをよく知らない人なら、案内されていったその店がどこにあるのかよく分からなかったかも知れないが、幸いなことにだいたいの目星はついていた。早速、朝のミョンドンに出向く。その「ぼったくりの店」は案外、簡単に見つけることが出来た。店の名前は「ミョンドン タウン」という店だ。場所もミョンドン聖堂よりの場所で間違いなく、地下への階段、店の入り口など間違いなく昨日の店だった。写真を数枚撮る。


【役に立たない韓国観光協会】

 さてこれからどうするかだが、とりあえず「韓国観光協会」の「不平申告」に行くことにした。ここは旅行上のトラブルなどについて相談するところだ。ミョンドンから観光協会まで移動し、不平申告のカウンターを訪ねた。観光協会のカウンターの右端が不平申告のコーナーで、そこにいた女性に大まかな話を伝えると、「日本語の出来るスタッフが来る」と告げられた。とりあえず待ってみることにした。

 日本語の出来るスタッフというのは、中年の女性だった。とりあえず昨日の経緯を話してみた。すると、「そのミョンドンタウンという店は、以前も被害届が出ています。警察い行けばもしかしたらなんとかなるかも知れません。行ってみますか?」ということになった。何とも頼りない話なのだが、警察に行ってみることにした。結局、この「観光協会」は申告を受け付けてはくれるが、それを記録するだけで、「解決に向けての具体的行動」は「警察への紹介」以外は何もしてくれなかった。当たり前なのかも知れないが、警察には自ら行くしかないのだ。そのスタッフは「また連絡します」と僕の連絡先を聞いてきたが、1年以上経った今でも何の連絡もない。あとの人のためにも、申告をすべきだとは思うが、ここでの解決を期待するのはやめておいた方がいいようだ。


【ミョンドン警察へ】

 そのスタッフが警察に電話してくれたので、ミョンドン警察を訪ねてみることにした。ミョンドン警察はいわゆるミョンドンの繁華街の東、ミョンドン聖堂の横にある。観光協会から再びミョンドンに戻り、警察を訪ねてみた。入り口に門番が立っていたので、経緯を韓国語で話すと中に入れてくれた。門をくぐると正面に大きな建物が見える。ここがどうやら警察らしい。その建物の中に入ると、警察官たちが忙しそうに歩き回っていた。入り口横に受付があって、女の人が座っていた。観光協会のスタッフの人に聞いた部署名(なんだったか忘れた)をいうと、階段を上がっていくようにいわれた。言われたとおり階段を上がると、その部署が見えてきた。外国人関係を扱っている部署のようだった。

 ドアを開けて中に入ると、女性が一人座っていた。机はたくさんあるようだが、みんな出払っているようだった。その女性にここに来た経緯などを話すると、少し待って欲しいと言うことだった。因みに女性は日本語が喋れないようだった。

 しばらくすると、刑事とおぼしき男性が一人帰ってきた。しかし、この人は僕の相手をする人ではないようで、ロッカーで着替えをするとさっさと帰っていってしまった。そしてさらにしばらく待つ。窓からはうららかな日がこぼれていた。平和なひとときだ。それにしても俺はいったい何をしているんだろうという気分になる。もうお昼近くになっていたので、お腹も空いてきた。仕方ないのでその女の人に売店があるかどうか聞いてみると、地下にあるという事だった。地下に行ってみると、小さな売店があったので、パンと牛乳を買う。それを持ってさっきの部屋に戻り、とりあえず食ってみた。

 しばらくすると、今度はかなり年輩の男性刑事が入ってきた。どうやらこの人が僕の相手らしい。その年輩刑事は片言の日本語で話しかけてきた。僕も最初は日本語で話をしていたのだが、だんだん僕が韓国語が出来ると分かってきたようで、最終的には韓国語でいろいろ経緯を説明することになってしまった。そして、一通り事情聴取が終わった後、現場に行くことになった。えっ?げ、現場に? ま、そりゃそうなのだが・・・。

 その年輩刑事は「今から別の刑事に連絡するので、彼と一緒に行ってくれ」と僕に告げた。そして別の刑事に電話をかけ、「こいつは日本人だけど韓国語が出来るから大丈夫だ。君が付いていってやってくれ」などと言っているのだ。おいおい。そりゃ出来ないことはないけど、細かいニュアンスとか伝えられるかどうか全く自信がなかった。


【再びミョンドン タウン】

 しかし、そんなことも言ってられず、言われたとおりにするしかなかった。どうやら現場に一緒に行ってくれる刑事は、ソウルプリンスホテルのロビーにいるとのことだった。僕は一旦ミョンドン警察を出て、一人でとぼとぼとソウルプリンスホテルに向かった。ホテルはすぐに見つかった。そして中に入りフロントの人に尋ねてみると、フロント脇の小さな部屋に案内された。そこに刑事が座っていた。

 その刑事は中年の男性で、いかにも刑事というような面構えだった。がっちりとしたからだつきで、典型的な韓国のおっさんだ。労働者風の身なりをしており、けんかも強そうだった。僕は言われたまま、その部屋のイスに座らされる。そして再び事情聴取が始まった。

 僕はまたもや、昨日の経緯を話し始めた。しかし今度のおっさんは日本語が全く出来ないので、全部韓国語で説明しなければならなかった。しかも「君、なんで金を払う前に警察に電話しなかったんだ!」などと説教までされる始末だ。「あの雰囲気で電話なんて出来る分けないだろ!」と思ったが、ぐっと我慢した。第一、韓国で警察に電話しよう思った場合、何番にかけたらよいのか分からないじゃないか。

 一通り説明し終わると、現場に向かうことになった。しかし、現場で昨日の兄ちゃんが出てきたらどうなるんだろう? この刑事はちゃんと僕の味方になってくれるのだろうか? どう考えても不安だった。

 現場に到着し、早速階段を下りて行った。するとその刑事が「おまえが先に行け」と言い出したのだ。 えっ? 僕が行くわけ? 刑事さんが取り調べするんじゃないのか? おいおい・・・。仕方ないので「ミョンドンタウン」のドアをガンガンとたたいてみた。しかし何の反応もなかった。店に人はいなかったようだ。一旦戻るしかない。

 刑事が周りの人に聞いてみたところ、夜にならないと人が来ないようだった。その刑事は僕に「夜にもう一度行くから、一旦警察に戻れ」と言うと、どこかに去っていってしまった。

 僕は再び警察に戻った。先ほどの部屋に戻るとさっきの女の子がまたちょこんと座っていた。事情を話して再び暇をつぶすことになった。しかし、僕は明日、キョンジュ(慶州)で友達と会う約束があるので、出来れば今日中に移動したいと思っていたのだ。このまま待っているというわけにもいかなくなってきた。

 そんな話をしていると、先ほどの年輩刑事が戻ってきた。とりあえず事情を話してみると、「じゃ、ついてこい」と言って僕を部屋から連れだした。そのまま階段を下りて1階の部屋に入っていった。その部屋には防弾チョッキを着た見るからに体格のいい男たちがわんさといる部屋だった。そして再び調書のようなものを書き出した。年輩刑事はそれをその男たちに渡して何やら説明を始めた。一通り説明をすると、今度は僕に向かってこう言った。

 「ここは暴力課の連中だ。今、君の話をしておいたから、その飲み屋には彼らに行ってもらうことにした。だからもう君は帰りなさい。後は我々でやっておく。慶州へ行きなさい」

 そう言いながら僕を警察の外まで送ってくれた。僕がその年輩刑事をジッと見つめていると、その年輩刑事は、

 「キョンジュロ カー・・・カー」(慶州へ行け)

と言いながら雑踏の中に消えていった。


【感想】

 連絡をくれると言っていた「警察」と「韓国観光協会」からは、結局、何の音沙汰もなかった。連絡先もちゃんと言っておいたのだが、結局は何のフォローもなかったわけだ。当たり前なのかも知れないが、観光協会に申告は出来るが、だからといって解決されるというものではないのだ。ただ、こちらの落ち度としては、その店から証拠となる「請求書」なり「領収書」などの書類を持ってこなかったことが挙げられる。結局こういうものがない限り、知らぬ 存ぜぬで通ってしまうわけだ。そういう店が領収書を出すかどうかは別問題なのだが・・・。

 結局、自分の身は自分で守るしかないと言う、ごくごく当たり前のことなのだ。海外旅行で親切な人はもちろんたくさんいる。しかし、騙そうとしている人もまた、たくさんいるのだ。騙そうとしている人は、とても親切に近寄ってくる。そして相手が安心したところで牙をむくのだ。

 今回のケースでいうと、焼き肉屋で別れていれば問題なかったわけだ。この文章を読んだ皆さんは、「瀬戸際」というのをよく見極めて欲しいと思う。話しかけてくる人を一方的に無視してしまうのも、味気ない話だからだ。話は聞いたらいいとは思うが、決して油断してはいけない。

 ただ、「観光地」で日本語で話しかけてくる人は、かなりの確率で怪しいと思ってかかる方がいいと思う。これは韓国も同じで、決して気を許してはいけない。良く見極めることが必要だ。あとから考えると、「なんて不用心なんだろう」と思うのだが、お酒が入っていたりすると、そうもいかないものなのだ。

 それから、今回、僕は1日かけて観光協会から警察へと渡り歩いたのだが、ツアーなどの短い期間で旅行する機会の多い日本人が、はたしてどれだけ被害届を出しているのか疑問だ。取り調べにしても、僕は韓国語が喋れるが、普通 の日本人はどうするのだろうか? 泣き寝入りがほとんどなのではないだろうか? しかし、後の人のためにも、被害届を出すことをぜひお願いしたい。少なくとも観光公社では日本語は通 じる。解決はされないかも知れないが、被害を減らすことには繋がって行くし、それは日本人のためでもあり、韓国人のためでもあるのだ。

 1998年の正月に、1年ぶりに「ミョンドン タウン」を訪れてみた。店の中には入らなかったが、営業しているようだった。相変わらず日本人たちが騙され続けているのだろうか・・・。

 

おしまい

【おまけ】

 この文章を読んだ方々から、いろいろご意見や感想を頂戴しました。ありがとうございます。m(_ _)m
 ただ、どこが問題だったのかについて、ズレのある方がおられたので、蛇足ながら解説を付け加えさせていただきます。

 ご意見というのは「韓国で女の子の出てくるいわゆるルームサロンは一般的に高額で、このくらいなら別 に高いことはない」というものでした。それはもちろんその通りだと思いますが、問題の核心からはズレているので、整理しておきます。

 1.韓国人の二人組は「安いカラオケに行こう」と誘っていること
   (この国には日本のカラオケボックスと同じ形式の安い個室カラオケがある)
 2.最初は女の子は出てこなくて、途中で急に入ってくる
  (このときは、女の子が出てくるルームサロンの存在をよく知らず、また高いかどうかも、よく知らなかった)
 3.ウィスキーはほとんど飲んでいないのに、気がついたら3本(以上だったっけ?(^^;)も空になっていたこと(誰が飲んだんだ?(^^;)

 ルームサロンに誘われて、高いことを承知の上で自らお酒飲んで請求されたのなら別 にいいのですが、問題は「安いから」と具体的な値段を提示されて行ったのに、高額だったということです。
 ろんさんはもともと飲まない方なので、飲んだとしたら韓国人の二人組店の人と言うことになるのだと思いますが、それにしてもあの時間であんなに減るのはどう考えても変です。ろんさんとも話していたんですが、「お酒をわからないように捨てた」かあるいは「空の瓶を持ってきて並べた」かのどちらかじゃないでしょうか?
 あのときは若かったと思います。しかも、少なくとも女の子が入ってきた段階で、席を立つべきだったですね。
  気をつけたいです。