2005年4月はこの2公演

 


劇団阿佐ヶ谷南南京小僧
「風雲!しんでれ羅城〜血の徒花の義母娘子(ママハハ)ブギウギ〜」

萬スタジオ 4/1〜4/4
4/2(土)観劇

作・演出 飯野邦彦

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無機王「こどもの国、おとなの城」

王子小劇場 4/7〜4/10
4/8(金)観劇。座席 自由(6列目中央:招待)

作・演出 渡辺純一郎

 何年かぶりに昔住んでいた家を訪れた佐々木薫(西山竜一)。そこは、誰も住む事がなく廃虚同然に放置されていた。薫は過去に何か大切な忘れ物をしているようで、この地を訪れた。そして、薫は、過去の自分と対峙する・・・。
 佐々木家は祖母の昌代(羽場睦子)、長男の一郎(じょじ伊東)、その妻の瞳(橋口まどか)、そして小学校6年生の薫(中島佳子)の4人暮らしであった。一郎は時代劇の脇役ばかりの大部屋俳優。妻は家計を支える為に仕事に出ていた。そろそろ卒業という時期に、薫は、父の事をからかわれたのが原因で、登校拒否になる。外部との繋がりは、垣根越しにやりとりをしている、隣に住む同級生の三島香(山崎康代)との交換日記だけであった。
 薫の日々は、父が出演している『桃太郎侍』の再放送を見たり、ちょくちょく家庭訪問にやってくるが、人の気持ちをまったくわからない担任の阿竹朋子(西松希)との苦痛な時間だったり、庭に掘っ建て小屋(祖母曰く“ハウステンボス”)を作り、幼い恋心をいだいた香の姉・三島早苗(山田佑美)と暮らしてみたりと、それなりに充実していた。周囲の人々は、そんな薫をしかるわけではなく、暖かく包み、優しく見守っていた。
 そんなある日、一郎の弟の佐々木大輔(野本光一郎)が、薬師丸ひろ子と名乗る女(遠藤童子)と共に手錠に繋がれてやってくる。大輔が多額の借金をして、逃がす訳にはいかずに仕方なく手錠を掛けている、という事が徐々に判明していく。大輔の久々の里帰りも、金の無心が目的であった。兄にすがるも、大部屋で食えない俳優に、そんな金がある訳もない。結局祖母を騙して保証人の欄にサインをさせ、大輔は逃げてしまう。それから間もなくガラの悪い取り立てが訪れ、家を手放す事になってしまうのであった・・・。
 家を引っ越す時、薫は最後の交換日記を香に渡すのではなく、庭に埋めて出て行った。大切な忘れ物とはその交換日記であった。埋めた場所を思い出し、掘り返して読み直した薫の目に飛び込んで来たのは、家族からのメッセージであった・・・。

劇団のHPによると、『家の中に僕だけの秘密の場所がある。お父さんは秘密の場所をしっているけれど、知らないふりをしてくれる。僕の秘密と家族の絆。無機王がおくる初の家族劇。』との事。まぁ、そんな感じの芝居。

 初観劇の無機王である。今まで見るきっかけがなかったのだが、モダンスイマーズに客演していた中島佳子が見たくて劇場に足を運んだ次第である。で、本来の目当てである中島佳子は、ますます気になる存在になってしまった。本当に素晴らしい。写真で見るとなんとも思わないのだが、芝居で見る中島佳子には心がときめく。今回、役柄に若干矛盾も感じるが、細部まで見事に少年になっていたと思う。細かな演出を受けているのか、本能が演じさせているのか、知る由はないのだが、額のこすり方や、膝の抱え方が、大人ではない少年そのものなのである。

 で、肝心の芝居の方だが、想像以上に良い芝居であった。ただ、前述したように若干、矛盾を感じてしまった点がある。それは小学校6年という設定に対して。あくまで個人的な感覚かもしれないのだが(自分の子供と比較して)、あの精神構造は中学生のものだと感じた。“卒業”という時期が物語上必要だったのはわかるが、どうみても、中学1年になり新しい環境による変化を経験した後という感じである。ちょっぴり大人の階段を登り始めたって感じの頃。そんな所に若干違和感を感じてしまった次第である。
 あと、“いじめ”に関しても、初めは違和感を感じた。ハウステンボスの開業の頃が薫の少年時代だと思うのだが、その頃でも小学校は少子化が進んでいたのではないだろうか。俳優という特殊な職業なら(大部屋俳優だとしても)、薫の父の事は、とっくに周知の事実ではないだろうか。今さらその事をネタに“いじめ”が発生する事はないと思うのだが・・・。ただし、この件に関しては“いじめ”の根本的な原因(火付け役)が生徒にではなく、新米教師にあると推測できたので、納得できた。教師の駄目さ加減は誰も口にしていないが、家族全員が薄々気づいているのであろう。この自覚なき悪意が一番怖い。でも、“いじめ”が本筋ではないので、触れる事なく通り過ぎてしまったが・・・。まぁ、そんなアラとまではいかないが、気になる点はあるものの、本当によい芝居であった。

 演出面では、過去の薫と現在の薫が同居する、微妙な空間のねじれ具合の描き方がとても面白かった。タイトルの付け方も好き。大人にとって家は“城”であるが、子供にとっては“国”なのだろう、そんな世界観の微妙な違いをタイトルにするあたり、なんかセンスの良さを感じてしまう。又、この作品は、家族の物語ではあるが、薫の成長の物語でもある。親子の感じる世界観だけではなく、薫本人(大人の薫と子供の薫)の感じたものもタイトルには含まれているのであろう。

 前知識がなく、中島佳子だけが目当てで観劇したのだが、とんだ拾い物だったかもしれない。次回の予定が未定になっていたが、今後期待できる劇団である。

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双数姉妹「ラバトリアル」

THEATER/TOPS 4/1〜4/10
4/9(土)観劇

作・演出 小池竹見

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劇団、本谷有希子「乱暴と待機」

シアターサンモール 4/8〜4/17
4/15(金)観劇

作・演出 本谷有希子

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カラーチャイルド「どこかのノラ」

池袋芸術劇場小ホール 4/22〜4/24
4/23(土)マチネ観劇。座席 G-11(招待)

作 渡辺浩一
演出 蛯原味茶煎・渡辺浩一

 ノハラ(鶴岡誠)とヒナタ(中村容子)は、一歩踏み込めない友人以上、恋人未満の関係であった。ヒナタはノハラが好きだけど、気持ちを伝えられない。ノハラは、ヒナタのそんな気持ちを知りつつも行動に移せない。距離が近づかぬまま、ノハラの引っ越しの日になってしまった。今日こそはと決意を胸に、引っ越しの手伝いをするヒナタであった・・・。そんな引っ越しの途中、腹ごしらえで外出した二人は、ホテル街に迷い込む。そして、その一角にあった時代錯誤の洋館に引き込まれる様に入って行ってしまう・・・。しかし、そこはホテルではなく、ハロルドハウスという名の孤児院であった。しかも、時代は平成ではなく、昭和の17年・・・。知らぬ間に二人は、タイムスリップしていたのであった・・・。
 そこで出会ったクロ(里中龍児)は左手に破壊力を秘めていた。実はノラ(=ノハラ。こっちの世界に来てからは“ノラ”と呼ばれるようになる)にも秘密があり、右手に怪我を治癒する力を宿していた。そんな、奇妙に似ている二人には、重大が秘密が隠されていた・・・。
 徐々にクロを好きになっていくヒナタ。それにも重大な“理由”が隠されていた・・・。ノラとヒナタが未来からやってきたと知った孤児達(朝比奈宏ら)は、二人を現世に帰す為に、3枚の謎の手紙を解明し始める。そして、クロが誰なのか明らかになった時、タイムスリップした“理由”も明らかになっていく・・・。

 当日パンフに「チラシに書かれた粗筋から、多少、内容が変わってしまいました。」と書かれてあったが、その変化は、一目瞭然。内容の違いがどうとかよりも、前半部分のつまらなさに対して、後半のテンションの高さと面白さの差があり過ぎなのである。まぁ中盤までは所々夢の中って事もあったのだが、後半は見違えるように面白くなっていた(眠くなる暇なし)。ただ、論理的というか、科学的っていうか矛盾点は多い。でも、面白かったから、多大な矛盾も許す。でも、当初の物語をムリムリに残してしまった感もあり、そのアイデアは、別の話でやってもよかったのではないかという気持ちも残った。

 で、楽しんでいて文句をつけるのはおこがましいが、演出方法が、今は亡き“惑星ピスタチオ”そっくり。西田シャトナーが観たらどう思うか、ってくらいに似ていた。惑星ピスタチオを知らない人には、体を使ってのスピーディーな展開は斬新かもしれないが、大好きで観ていた自分には、単なる真似に映ってしまった。演出家が、惑星ピスタチオの芝居を観た事があるかどうかは知らないが、自分にとっては、残念でならない演出方法であった。

 あっそうそう、ユウコ(松原由賀)が幽霊になっている原因が判明するところとか、ちょっぴり感動。でも大筋にはあまり関係してないような・・・。眠っている時に重要な展開があったのだろうか?


“カラーチャイルド”自分が観た公演ベスト
1.免許がほしい!
2.どこかのノラ

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ポツドール「愛の渦」

THEATER/TOPS 4/20〜4/27
4/23(土)ソワレ観劇

作・演出 三浦大輔

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動物電気「寝太郎の新作カレー」

本多劇場 4/27〜5/1
4/30(土)観劇

作・演出 政岡泰志

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