ギャラリー ル・デコ 11/30〜12/3
12/2(土)マチネ観劇。座席 自由(正面前列)
原作 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」×別役実「ジョバンニの父への旅」
構成・演出 浅沼ゆりあ星祭りの夜、ジョバンニと銀河鉄道の旅をしたカムパネルラは、川に落ちたザネリを助けようとして死んでしまった。ジョバンニはその事実を知らされた後、街から姿を消す。そして、何故かジョバンニの父が捕まってしまう・・・。
それから23年後の星祭りの夜、再び子供が川で溺れ死んだ。ジョバンニの父親が捕まったと同じように、今度はザネリが捕まってしまう・・・。街はジョバンニを待ち続けた。そして、ジョバンニは父の無実の罪を晴らすために街に帰ってくる・・・。(当日パンフフとチラシからの引用)明治大学「実験劇場」から旗揚げした劇団である。演出の浅沼ゆりあの卒業を機に、旗揚げしたみたいなので、「実験劇場」色が濃く出ているのだろうとは思うが、「実験劇場」がどんな芝居をしている(目指している)のか判らないので、あくまで想像でしかないけど・・・。
それはさておき、感想としては、物語が不条理過ぎて、ちょっと退屈(少々眠くなる)。最初のうちはストーリーを追っていたのだが、中盤あたりから集中力が切れてしまい、ちんぷんかんぷん。『銀河鉄道の夜』を読んでいれば、少しは違っただろうが、後の祭りである。終盤、物語を追うのを止めてシーンシーンを観る(感じる)ことにしてからは楽しく観れた。“ザネリは誰も殺していない”というラストだったので、救済の物語だったのであろうか。う〜む。ストーリー的にはバツだったが、演出・舞台美術はマル。劇場全体を鉄パイプが覆い、赤く塗られた空き缶が無数吊るされている。客入れ中は生足の少女達がオブジェの如く眠っている(生足なのが妙に艶かしい)。骨だけの傘も光のように見えて面白い。一言で言ってしまえば、“幻想的な不条理劇”。ただ、もう少し起承転結と言うか、ラストに向かっての高揚感が欲しかった。全体的に平坦なのである。原作を知らないので見当違いかもしれないが、ラストで見えないはずの“銀河鉄道”が見えるべきではないかと思う。鉄道の走る音と汽笛、目を開けていられないくらいの光。それと蒸気を表現するスモークとか。それは邪道なのだろうか?静かに終演するのではなく、そんな存在感を残したラストにしても良かったように思う。
なんか非難めいた感想っぽいが、作品の雰囲気は好きだ。役者も良い。なにより女優が美しいのにはウキウキしてしまう。ってのは冗談だがマジ美形揃い。あっ、話が逸れてしまった・・・。それはともかく、作品に対する想いの丈は、この程度ではないと思うのだが、どうだろう・・・。もっともっと他では観られない世界観を展開して欲しいと願う。何故、今アングラ芝居なのか、その答えが見えた時、“古いもの”が“新しいもの”へと変貌するように感じる。今後に期待したい。
作・演出 三浦大輔申し訳ありません。まだ書けていません。
作・演出 吉田武寛火星移住計画のもとスマイリー1号が発射された。しかし、1号は乗組員全員死亡という大惨事を起こして、失敗に終わった・・・。そして1年後、スマイリー2号が発射されようとしていた・・・。
という舞台『セブンス・ヘブン』の稽古が始まっている。しかし、どうも稽古場の空気が良くない。原因は、1年前に事故死した劇団員の健吾(葉山勇気)にあった。なかでも茜(大竹絵梨)は、事故の原因が自分にあると思い込み、それ以降、男性に触れられるだけで過剰な反応を示すようになっていた。そして、その事が、芝居に大きな影響を及ぼしていたのである。しかし、公演の日は間近まで迫っていた・・・。
劇場見学に行った日、舞台で一人佇む茜にスポットライトが当たる。呼べど叫べどオペルームからは返事はない。そして、主宰の鹿島(矢花勇治)が舞台に現れた途端、そのライトは消えた。呆然としている茜に「この劇場には、つかないはずのスポットライトが点灯した時に奇跡が起こる、という言い伝えがあるんだ」と、鹿島はつぶやく。
それから数日したある日、茜は稽古場でうろつく人影に気づく。しかし、それは“人”ではなく“ライオン”であった。しかし、彼は「自分は健吾」だと主張する。気になった他の劇団員は、彼を劇団員として迎え入れることを提案する。そして、迎えられた健吾は、主役に抜擢されるのであった・・・。
そして紆余曲折の末、1回限りの公演の幕があく。この作品は、現実を芝居に置き換えた作品だと、劇団員は感じていた。そしてラストシーンには“過去を変える”(過去を変え健吾を生き返らせる)という想いが込められていた。しかし、健吾は自分が現世に留まっていられる期限が迫っている事を感じていたのである・・・。そして、健吾の口から、黄泉がえり2ヶ月間を過ごした理由が明かされるのであった・・・。物語のコンセプトは面白かった。しかし、作品としての完成度はまだまだだと感じてしまう。まぁ、前作から比べれば雲泥の差で良くはなっているが、まだまだ発展途上。突っ込みどころのある芝居(ライオンの姿に誰一人違和感を覚えないとか)だが、まぁそれは触れないでおくとして、全体的に面白さが中途半端なのである。特に劇中劇の『セブンス・ヘブン』がつまらない。やはり、芝居を2本書くつもりで面白くしてもらわないと、終盤のドタバタなシチュエーションが生かされてこない。本筋も劇中劇も大笑いしていてこそ、その先にある別れが悲しく思え、“健吾”の存在の大きさが伝わってくるのではないだろうか。その落差がない分、肝心なところで心が揺さぶられなかった、というのが本音である。残念でならない。個人的には、健吾がライオンである必然性もないところとかは、大好きなんだけど・・・。
あと、ついでに苦言を垂れると、上演時間が長い。あと30分は短くしていいと思う。正直中盤は中だるみしてしまい、睡魔との格闘になってしまった。伝えたい事を詰め込むだけではなく、削ぎ落とす事も必要だと強く感じた。
で、まったくの余談になるが、早稲田どらま館に入るのは、すごい久々なような気がする。その昔は、『週刊明星』とか観たなぁ〜。そうそう『週刊明星vol.0』には堺雅人もゲスト出演してたんだよなぁ〜(『週刊明星vol.0』はTHEATER/TOPSでの上演だけど)と、どうでもいい回想をしてしまった。でも、早稲田どらま館って、もっと狭い印象が残っていが、実際は意外と広かった。人間の記憶とは曖昧なものだなぁ・・・って芝居とは関係ないところで感心したりして。
“劇団ひろぽん”自分が観た公演ベスト
1.スポットライト 2.深夜旅人
作 前川知大(イキウメ)
演出 不在申し訳ありません。まだ書けていません。
作・演出 菊川朝子申し訳ありません。まだ書けていません。