C 〜ブラジルの宗教事情〜 宗教団体活動について |
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ブラジルの宗教教団の活動について、前回から引き続き紹介させて頂きます。 ブラジルは戦前までは国教をキリスト教と定め、他の宗教教団は活動を著しく制限されていた事は既に述べられましたが、移民で成り立つ国家と言う事もあり、戦後、他の宗教教団の活動も大幅に認められるようになりました。 但し活動の内容によって認められる度合いが異なり、特に福祉活動を行う宗派に関しては色々な面で優遇されているようです。 1997年にカルドーゾ大統領が発布した暫定法案で、小切手を切っただけでかかるという税制が始まったのですが、宗教団体で、福祉活動をしてる団体だけが免税された事を考えると、宗教活動について、政府のその内容を判断する基準が日本よりもハッキリしているかも知れません。 ですから、各宗教団体は教義上問題はあっても、そういった活動をせざるを得ず、人材や、資金の不足している団体は、他の宗教団体と協力して社会への貢献を示す事も少なくありませんでした。 ブラジルの日系宗教団体は、浄土真宗を含む伝統教団から、新興のキリスト教、神道系の宗教団体まで多岐にわたって活動していましたが、様々な情報交換を含め連携を持つ事もありました。その中でも仏教系の団体は、ブラジル仏教連合を組織し、東西本願寺、浄土宗、真言宗、曹洞宗、日蓮宗等の団体が年に何回か共同で活動する事があり、そのような活動を通じて互いの理解を深めていく機会としています。 基本的に、ブラジルの仏教団体は日系移民と共に渡ってきましたので、活動の対象は日系人が殆どなのですが、欧米での仏教への関心が高まる中で、日系人以外でも仏教に関心を持つ人が増えてきました。しかしながら、それまでそういった団体にかかわりを持つことが無い方では、仏教に宗派があるとか、宗派によって其々方法が違うとかは全くわからない事が多かったのです。 ですから何処の宗派の寺院に来られても、その人の意図に沿った宗派を紹介できるように、それぞれが対応してご紹介していました。一旦他の宗派に行かれても、興味の対象が変わり、別の宗派に行くこともあり、そういった意味では、必要に迫られて出来た方法とも言えるかもしれません。 日系移民と共に渡った日系宗教団体は、現在様々な活動を通じて、日系人のみならず、ブラジル国土に根付こうとしている事がうかがえるかも知れません。 |
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寺田 崇裕 |
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