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〜 日系人の行事 〜


   ブラジル日系人社会は、世界でもその数においてかなりの大きな割合を占めているのですが、その分日本の文化が色濃く残っている所でもあります。ただ季節が逆なので、日本の行事などを行う時は暦を優先するか、季節を優先するかで日本とは異なった時期にするのもある様です。

 その代表が運動会と言えるのではないでしょうか。運動会は日本では秋、つまりブラジルでは今頃の季節、主に日系人の世界で執り行われます。

 夏時間が終わる頃と記憶していますが、夏時間がいつ頃終わるかはその年によってまちまちだったようです。と言うのは、冬になると必然的に電気の消費量が大きくなり、電気の量が絶対量に足りなくなってしまうのです。するとその年の気候などによって早く電気の消費量が増えた場合には、夏時間が終わるのが早くなると聞きましたが、今はどうなってるのでしょうか。

 日系人の社会とともに過ごしてきたブラジルの真宗寺院は、運動会のためにお寺の境内を開放するところもあります。

 これは南米だけに限りませんが、日系人一世とその子弟では考え・言葉・習慣に至るまで大きな差が生まれます。一番の違いは、日本語で育った世代とその子弟といえるのではないでしょうか。

 日本語で育った世代と育てられた世代は、日本の行事を含めた文化を残す傾向がありますが、ブラジルのように日系人以外との婚姻が進み、色々な人種が家族の中に居る状況では、伝え難いものもあります。それは、食事であったり、家族の在り様であったりしますが、或る程度は日本でもあることなのでしょう。しかし、言葉と国が違えば、チョッとした事でも世代を超えて伝えていくのが難しい事を意味します。

 しかし、そう言う状況にあって盆踊りや運動会など、余り言葉に頼らず、老若男女全てが参加できる行事として、世代と国を越えて伝わっているのかもしれません。


                                              寺田 崇裕



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