菅原智之
の ミャンマー紀行
ミャンマー紀行
〜 その6(最終回) 〜 豊かさとは何か 〜孤児院にて考える〜 2005-02-01 |
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首都ヤンゴン郊外にあるお寺が孤児院をもっています。 内戦や貧困等諸事情によって孤児となった約330人(2004/4現在)、4歳から18歳の子どもがいます。 その内約100人は、自らも僧侶となり、自分の食事と孤児院の仲間達の生活費を托鉢で得て、何とか孤児院の生活費を工面しています。
訪問時にはご馳走が並んでいました。はて?。 実は町のとある男性の“施し”だったのです。その方、今日が愛娘の誕生日なのだそうです。「誕生日だから皆さんに喜んでもらいたい」とニコニコしています。 ミャンマーでは誕生日に人にご恩返しをするということが、ごく普通のことなんだとか。その精神にビックリ。
だって日本では、「誕生日だから、わ・た・しにプレゼント頂戴〜!」が当たり前。他人に施すなんて聞いたこともないし、考えたことも無かったなぁ。おー、恥ずかしい。 ここにも仏の教えが生きているのです。経済的には貧しい国なのに、人々の心はとても豊かであたたかでした。まるで昔の日本みたいに。
しかし、この国は軍事政権。民主化を求めるアウンサン・スーチーさんは軟禁され、国民の経済や言論・思想・移動の自由は奪われています。何しろ親戚の家に泊まることすら出来ないんです。ガイドの20代男性は、人目を気にしながら(反政治発言は、誰かに聞かれると捕まるんです)、政権の腐敗やこの国の将来を嘆いていました。 経済的豊かさは人心を荒廃させがちです。しかし自由は脅かされたくありません。 んー、難しい。「頼むから日本のようにモノは豊かでも、心の貧しい国になってくれるなよ」と思いながら帰国しました。 ミャンマー良いとこ、1度はどうぞ。
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