2002.1.5、狂言師:和泉元彌さんと女優:羽野晶紀さんの結婚式が、築地本願寺の仏前で行われました。
「お寺で!仏前で!結婚式?!」と不思議に思われた方も多いことでしょう。最近では少ないものの、古くから伝わる伝統ある儀式なのです。
司婚者の進行のもと、
@誓いの言葉
A指輪交換
B念珠(数珠)授与
Cお焼香
D祝杯
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と進みます。
ABがいかにも仏前式ですね《参考:焼香か、献花か》。妙(たえ)なる香りをお供えした後は、交換した念珠にてお参りをします。
雅楽の音色のもとで(築地本願寺ではパイプオルガン演奏が入ります)、阿弥陀仏と向かいあいます。「掛け替えのない出会いをしたからこそ、また、終わりが来る出会いだからこそ、大切にしていこう」。ただ幸せだなぁと舞い上がるだけではなく、しっかりと現実に目を見開いて、大切なものを見失わないようにする。そんな式です。
とかく日本人は『生まれた時はお宮参り、結婚式は教会で、お葬式はお寺で』が当たり前と思いこんでいる節がある、世界で唯一の宗教オンチな国民です。ともかくも「我が家の宗教は仏教」との思いはあると思いますが…。
そして必ず聞こえる声が「私は無宗教だから」。しかしそれは胸を張って言うことではありません。仏教とは欲望を叶えるものではなく、自らの姿を、照らし出す働きをそなえた教えです。自分で自分のことは見えません。自らの眼で瞼を見ることが出来ないように。また自分の評価は恐ろしく甘く、いい加減なものです。
無宗教とは「自分を省みるものが自分の枠から出ていない=自分の都合が優先する」と言うことではないでしょうか。「私は仏教徒である」と、胸を張って言うことができるようでありたいものです。
仏前結婚式はどなたでも受式できます。
お近くの浄土真宗のお寺へご相談下さい。京都の本山(西本願寺)をはじめ各地の別院、一般寺院でも行っているところがあります。
《問い合わせ先》
◇築地本願寺 рO3−3544−0551
◇京都本山 聞法会館 рO75−342−1122
◇ 大谷本廟 рO75−531−4171
教会式ほどの予算で、あなたも荘厳な式を受けてみませんか。
菅原 智之
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