悩み相談 

 



003 先祖の供養が足らない?
相談:
 最近よくないことが続くので占い師に見てもらったら、「先祖の供養が足らず、あなたに祟っている」と言われました。供養してもらえますでしょうか?


答え:
 「人生山あり、谷あり」よく言われる言葉です。そして、まさに「谷」にある時には、誰しもが不安で藁をもつかみたい気持ちになります。そのようなときに、「こんなことがあるのは、先祖が祟っているからだ」とか「水子の霊がとりついている」といわれますと、そのようなことはあるはずがないと疑ってはみるものの、もし本当にそうだとしたらと考えてしまいます。そして、先祖の霊が本当に自分を苦しめているというような気になってきてしまうのです。苦しみから逃れたい一心で、「供養」と称するお祓いをしようとする事になってしまったのだと思います。

 しかし、亡くなられた方が罰を当てたり祟ったりすると考えることは、けっしてよいことではありません。子孫に祟りものにされ、お払いを受けるご先祖は、さぞかし悲しまれるのではないでしょうか。実は先祖が迷っているのではなく、あなた自身が迷っているのです。このままではますます自分自身の迷いの中に、埋没していってしまいます。

 仏教は、自分自身の迷いや弱さを気づかせて、新たな力を与えてくれる教えです。私達は、自分たちに都合の良い時は“自分の手柄”、少しでも都合が悪くなると“誰かのせい”と決めてしまいがちです。仏様(あみだ様)は、まず自分自身のありのままを見つめなさいと示してくださっています。辛くても自分自身とよくよく向かい合ってみると、やはり自分の中に原因があったことに気づいてきます。そしてまた仏様(あみだ様)は、私がいるのだから心配ない、自分の力で迷うことなく前に進みなさいと示されています。現状を解決するには、自分自身ときちんと向かい合わなければいけないのだ、と解ってくることと思います。

 自分自身の迷いに気づくことなく、ただ他に原因を求めている間は、悩みの解決の方向には進みません。できるだけ早く、真実の仏教の教えに出合っていただきたいと思います。


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