仏教ちょっと教えて 




005  仏教徒と“お宮参り”
相談:
 仏教徒が“お宮参り”に行くのはあやまりだと聞いたのですが、どうしてでしょうか。


答え:
 一般の習慣では、生まれてはじめて神社にお参りする「お宮参り」が行われています。氏子として認めてもらうという儀式です。

 しかし、仏教に縁のある方たちには、お宮ではなくお寺へお参りしてもらいたいものです。浄土真宗のお寺では「初参式」にお参りしていただき、仏さまから願われている尊い「いのち」であることに気づかせていただこうというものです。

 一般的な日本人の宗教の信仰スタイルの特徴は、「重層信仰」と、「習慣といわれるものの中に宗教儀式であることを認識していない」こととの2点の傾向があるといわれています。

 日本人はお寺の檀家(門徒)であり、かつ神社の氏子でもあるケースが多く、信仰というよりはおつきあいという意識が強いようです。それが重層信仰といわれる一端です。

 また、一般に通過儀礼が宗教として意味ある儀式であるということを意識できているかにもよります。お宮参り・七五三は神社に参り、結婚は教会へ。葬式はお寺へ。通過儀礼を宗教儀式とは意識せずに、そのときそのとき使い分け、宗教を使い回ししているといえるでしょう。 さて、お寺にもこれまで通過儀礼の場を十分に用意していなかったという反省と、生涯を通して一つの信仰をもってほしいという願いがあります。

 そこで、浄土真宗のお寺で行われている「初参式」の意味は、仏さまの願いのある世界に「仏の子」として生まれてきたことを喜び祝うという法要です。この法要は子供だけでなく、一緒にお参りする親にも大切なものとなります。子供を育てていく責任ある親に、仏教の「み教え」に出遇っていただくことになります。子供を仏さまよりいただいた「いのち」と仰いでいくことは、仏さまよりいただいた大切ないのちを育てていくことをまかされていることに気づくということです。子供は親だけの所有物ではないことを知らしめてくれます。自ずと子供を育てていく心持ちも変わっていくことでしょう。

 なお、初参式は様々お寺により様々な形で行われています。一年に一度合同であったり、他の法要と併修されたりしています。お寺から初参式のご案内があったときには是非お参りになって下さい。



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